むかし書いた韓国コラム　#848

　北朝鮮当局が住民に対し、金正恩と同名の使用を禁じ、同名の住民については自主的に改名するよう命じていたことがわかった。また、新たに生まれた子どもの出生届についても同名の場合には受理せず別の名前で届けを出すよう指導しているという。北朝鮮ではこれまでも金日成、金正日と同姓同名の使用が禁止されてきた経緯があり、３代目の金正恩についても先例にならったようだ。

　はたしてどれだけの人が改名を強制されたのかは明らかになっていないが、どちらかというとありふれた名前だけに相当な人数に上るのではないかと推察される。韓国でもキム・ジョンウンという名前は多く、女優をはじめ、歌手やタレント、弁護士、政治家、大学教授…と検索すれば数十人が出てくる。著名人でない一般人も含めればその数は数千人規模になるだろうか。

　“不世出の指導者”なら、最初からちょっと変わった名前を付けておけばこんな混乱はなかっただろうに。突然改名を命じられた人たちには同情を禁じ得ない。

【解説】
　妹の金与正と同姓同名の場合はいいのだろうかとか、金正恩夫人の李雪主と同姓同名はいいのだろうかとかいろいろ考えてしまう。写真は朝鮮中央通信公式サイトより拝借。

（初出：The Daily Korea News 2014年12月4日号　note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります）