むかし書いた韓国コラム #263
毎年恒例の汝矣島の花火大会が3日に行われた。残念ながら自宅からは見えなかったが、日本人駐在員の中には特等席とも言える漢江沿いのアパートに住んでいる人もいて、SNSなどでその様子が伝わってきた。ところで毎年恒例なのはいいが、なぜ10月なのかという疑問がある。日本では7月から8月にかけて夏の夜に開かれるものと相場が決まっている。10月に花火大会と言われても日本人にはいまいちピンとこない。
ただ、10月にやるメリットはありそうだ。日本の場合、「納涼」などと銘打ってはいるが、最近の夏は夜も気温が下がらず熱帯夜の日が続く。見た目は涼しげな花火だが、実際に外に出て鑑賞すれば暑くて汗もかき、屋外にいる限り快適な環境で花火を見ることは難しい。韓国の10月はやや肌寒くなる季節だが、真夏に汗だくになりながら見るよりは快適な環境で花火を楽しめる。もしやそこまで考えての10月開催なのだろうか。
【解説】
ソウル郊外の一山の花火大会に行ったことがあるがこれも10月だった。当時の写真を見ると、見物客はもう長袖の上着を着ている。汝矣島では5月に花火大会が開催されたこともあるが、これは確かワールドカップ開催時のイベントだったか。花火大会は夏にやるものという固定観念は日本人だけなのかも。
(初出:The Daily Korea News 2015年10月5日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)