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むかし書いた韓国コラム #71

 東京スカイツリーがオープンした。日本のメディアはこの話題で持ちきりだ。あいにくの天候やエレベーターの停止など幸先の良いスタートとは言えなかったが、高さ634メートルと世界一高いタワーの誕生は久々の明るいニュースだ。

 さて、ソウルのランドマークとなっている南山のNソウルタワー。こちらの高さは韓国人に言わせると「海抜479メートル」だ。高さ333メートルの東京タワーとの比較ではなぜか、「Nソウルタワーのほうが高い」などと言われる。しかしながらNソウルタワーは南山の標高もプラスした、いわば「上げ底」だ。タワー自体の高さは236メートルで、東京タワーとは比較にならない。

 スカイツリーは海抜479メートルどころの騒ぎではない。タワーとしては世界一なのだ。Nソウルタワーに多少のハンデをつけてもかなうまい。これまで東京のランドマークが過小評価されていたように感じたが、新しいランドマークはこんなモヤモヤを吹き飛ばしてくれた。

【解説】
 ソウルタワーに限らず、過去には韓国で最も高いビルだった63ビルも、地下の3フロアを合わせて63階建てと称する上げ底の名前だ。ゆえに同ビルの最上階は60階である。多分に日本のサンシャイン60を意識したのであろう。負けず嫌いの韓国人っぽい発想と言えよう。ちなみにサンシャイン60は地下4階まである。地下3フロア分を足したところでフロア数では63ビルの負けである。

(初出:The Daily Korea News 2012年5月23日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)

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