むかし書いた韓国コラム #791
次世代高速鉄道車両「HEM-430X」が最高時速421.4キロメートルでの走行を記録し第1段階試験を終えた。これは世界で4番目に速い記録だそうだ。一方、2004年4月に開業したKTXは9年間で累積利用客3億6000万人を突破した。現在の1日平均利用客は14万6800人で、開業初期の7万2300人から2倍に増えるなど、KTXの発展は続いている。
一方で問題も抱えている。慢性的な遅れだ。特にソウル行きの上り列車で顕著にみられる。これはソウル駅周辺の線路を在来線と共有しているため。京釜間を結ぶ大動脈ゆえ在来線も列車本数が多く線路容量は逼迫しており、時に10分近い遅れが出ることもある。だったら最初から遅れを見越してダイヤを組めばいいものを、と利用するたびに思う。
スピードアップもサービスには違いないが、時間を守るというのは基本サービスだ。来年で開業10年となるKTXのさらなる改善を期待したい。
【解説】
400キロを超える速度で走れる区間はわずかで、全線にわたって400キロで走るには大幅な線路改良が必要になるため実用化はまだまだ先のことになりそうだ。そんな線路改良するくらいならソウル駅周辺の線路容量を拡大する努力をしてほしいものだが。
(初出:The Daily Korea News 2013年4月3日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)