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むかし書いた韓国コラム #766

 地下鉄への自転車持ち込みが可能になり、駐輪設備や自転車専用道路が整備されるなど、このところソウルは自転車にやさしい町になってきた。日本人・韓国人を問わず、最近は自転車を購入したという話をよく聞く。ちょっぴり自慢げに自転車購入の話をされると心の中にもやもやとしたものがわき出てくる。

 こちとら流行になるはるか前の7年前に自転車を入手していたのだ。しかし残念ながら当時の道路事情は自転車のことなどまるで配慮しておらず、道路の反対側に渡るためにものすごい迂回を強いられることは当たり前で、階段しかない地下道を通ることもできず機動性は発揮できなかった。そのため自転車はすぐに乗らなくなり、後に知人に譲った記憶がある。

 最近の自転車への配慮ぶりを見ると、あの自転車を手放したのはちょっと早まったかもしれない。時代を先取りしすぎていたのだと負け惜しみを言っておこう。

【解説】
 その後ソウルも陸橋や地下道をなくして横断歩道を増やすなどしたため自転車でも走りやすい環境になった。仁川市松島では自転車専用車線が設けられていたほか、慶尚南道昌原市では市がシェアサイクルを運営していた。そういう自治体は増えているようで、自転車も市民の足としてしっかり定着しているようだ。

(初出:The Daily Korea News 2010年3月2日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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