むかし書いた韓国コラム #816

 ここ数日韓国のメディアを賑わせているのは「カマドウマ」だ。日本では「便所コオロギ」などと呼ばれる虫だ。気候変動で家の中に出没する事例が増えていると某紙が報じ、「殺虫剤が効かない」「驚くべきジャンプ力」「殺すと腹からハリガネムシが出てくる」などという生態が紹介された。このためか、検索サイトではランキングのトップに「カマドウマ」が浮上し、SNSサイトではカマドウマのファンサークルが作られ1万6000人のメンバーが加入するほどの人気となっている。さらにはカマドウマを退治するゲームと育てるゲーム、カマドウマをテーマにしたラップソングなども登場し、わずか数日で過去に例を見ないカマドウマブームが巻き起こった。
 
 幸か不幸か、このカマドウマが自宅にも出没してくれた。人間には害のない虫ではあるが見た目はあまりよろしくない。コオロギに似てるのだから風流に鳴いてくれれば歓迎してあげられるのだが…。

【解説】
 当時住んでいた家は山の斜面に建っていたため、建物の裏が山に囲まれる形となっていた。おかげでいろいろな虫が出没して苦労した。ある夜、寝ていたら「パチン、パチン」と音がする。電気を付けたらそこにはカマドウマがいた。ビニール張りの床の上を飛び跳ねていたのでパチンパチンと音がしたのだ。プラスチック容器で捕獲して窓の外に放り出したが、ヤツは招かれざる客だった。

 
(初出:The Daily Korea News 2010年9月7日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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