むかし書いた韓国コラム #994
鉄道マニアというのは日本ではあまりいいイメージを持たれていない。筆者は軽度な鉄道好きにすぎないが、それでもカミングアウトはしづらい。韓国に来てからは、韓国人に鉄道好きであることを話しても珍しがられることはあっても、ネガティブなイメージは持たれない。なぜならば韓国には鉄道趣味そのものがほとんど存在していないからだ。現在でも準戦時下にある韓国では鉄道は軍事施設という扱いで、以前は日本のように気軽に写真を撮ることはできなかった。そういう状況なので趣味として発展する余地がなかったとも言える。
鉄道好きからすれば、韓国での趣味生活は刺激のないものだった。ただ最近は鉄道趣味雑誌が創刊されるなど鉄道趣味市場はじわじわと広がっている。日本の鉄道趣味は乗ったり写真を撮ったり、模型を作ったりと多岐にわたり、市場規模も数十億円に上るという。韓国の鉄道趣味市場も今後日本並みに発展するだろうか。ネガティブイメージを持たれない程度に楽しみたい。
【解説】
裾野が広がってきたのはいいが、韓国でもやはり鉄道マニアは日本と同様にちょっとアレな感じな人が多く近寄りがたい。自分をまともな趣味人だと思うのなら不用意にカミングアウトなどしないほうが吉だ。写真は鉄道趣味誌「RAILERS」。公式フェイスブックページより拝借。実際に数冊を保有しているが、中を見ると韓国の鉄道の話題だけでは誌面が埋まらず、日本をはじめとする海外の鉄道情報も多く盛り込まれていた。当初は隔月刊だったが後に不定期発行となり19号を最後に休刊状態となっているのは惜しまれる。
(初出:The Daily Korea News 2012年4月6日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)