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むかし書いた韓国コラム #708

 復元作業が最終段階に入っている光化門は最近になり囲いが撤去され、建造当時に復元された姿が見られるようになった。ソウル市内では光化門だけでなくソウル城郭や西大門の復元計画もある。いずれも日本統治時代に撤去されたという歴史があり、韓国人としては元の姿を取り戻したいという強い思いもあるのだろう。

 その一方で、再開発の名の下に昔ながらの町並みが姿を消している。鍾路の裏通りにあったピマッコル周辺などは味気ないビルが建ちもはや見る影もない。新しいものを作るために古いものを取り壊すのは仕方のないことなのだろう。日本統治時代に撤去された門や城壁も、ことの是非は別として、新しいものを作るために取り壊された面がある。

 撤去から100年近くを経て復元される門や城壁。象徴的な建物ゆえに復元されるのか。惜しまれつつ姿を消してゆくソウルの裏通りも100年後に復元されたりはしないだろうか。

【解説】
 昔ながらの街並みが失われていく中で、時に外装から内装までレトロな雰囲気を売りにした飲食店などがオープンしたりもする。作られたレトロよりも、昔ながらの街並みをそのままにしておいてくれた方がうれしいのだが…。

(初出:The Daily Korea News 2010年8月2日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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