むかし書いた韓国コラム #120
2004年に輸送力増強の切り札としてソウルに投入された連接バス。このところその姿をあまり見かけない。2車体構成で全長18メートルの連接バスが走る姿は日本でもごく限られた路線でしか見られず、乗り物好きとしては気になる存在だった。
最近の新聞報道によると、このバスはソウル市の助成を受けイタリアから20台が輸入された。ただ故障が頻発し、部品交換をするにも輸入品のためすぐには調達できず休車する車両が多いのだという。また平地向けの設計のため冬季は路面が凍結すると坂道を上れなくなる問題から、冬季は運行できないという問題も抱えていた。乗降口が4カ所もあり運転手が1人で安全確認するのも大変だったのではないかと推察される。
バス会社にとってはとんだお荷物となったこともあり、耐用年数を迎える3年後には全車退役するのだとか。見かけることがあったら記念に乗っておかなくては。
【解説】
ソウルからは姿を消してしまったが、逆に日本では徐々に導入するバス会社が増えており、現在では全国の10カ所以上で連節バスが走っている。韓国では世宗市で電気式の連節バスが導入されているようだ。写真は2003年に試験導入されたスウェーデンのスカニア製連節バス。実際に導入されたのはイタリアのイヴェコ製の連節バスだった。ちなみに連節バスは韓国では「屈折バス」と呼ばれている。
(初出:The Daily Korea News 2010年4月28日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)