むかし書いた韓国コラム #649
ソウルの「リトル東京」と言えば東部二村洞が思い浮かぶが、最近は弘大前のリトル東京化が進んでいるらしい。韓国紙で見た記事によると、居酒屋やラーメン店をはじめ、どんぶり専門店やギョウザ専門店、ゴーヤチャンプルを食べられる沖縄料理店までオープンしているという。これまで日式料理の店がオープンする度に、妙にフュージョン化された韓国風日本食にがっかりさせられることも多かったが、弘大前では本場の味で勝負するという店が多く、日本人の料理人が腕を振るう店も多い。若者の街だけに値段もリーズナブルな設定だ。
弘大前といえばクラブなどが多い若者の街というイメージが強く、これまではあまり近寄る機会もなかったが、多彩な日本の味を楽しめるのならたまには足を伸ばそうかという気にもなる。海外生活者にとって長年慣れ親しんできた日本の味は貴重な存在。新たなリトル東京の出現は心強い味方になりそうだ。
【解説】
日本の外食チェーンが韓国に進出する際は鍾路・明洞か江南というケースがほとんどだったが、丸亀製麺は韓国1号店を弘大前に出店した。安易に鍾路・明洞か江南に出店するのではなく弘大前に出店したところに、ソウルの流行発信地をしっかりリサーチしているなぁと感じたもの。後に鍾路・明洞と江南にも出店したが残念ながら2021年に全店撤退した。
(初出:The Daily Korea News 2010年3月8日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)
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