むかし書いた韓国コラム #901

 韓国の新聞で日本の経済事情を説明する記事を読んでいたら「たんす預金という言葉がある国」と書かれていた。わざわざ書いているということは、韓国にはない表現なのだろうか。

 日本のたんす預金は30兆ウォンに上るという試算もあり、へそくりはたんすに隠すのが一般的だ。では韓国では自宅のどこにへそくりを隠すのだろうか。気になったので調べてみた。残念ながらへそくりの隠し場所はわからなかったが、日本ではたんすにしまわないものがしまわれていることがわかった。運転免許証だ。

 日本の「ペーパードライバー」に当たる用語が韓国では「たんす免許」となる。日本では運転はしなくても身分証明書の代わりになるので携帯する人が多い。韓国では住民登録証があるので身分証明書代わりに免許を持ち歩く必要はなく、使わない免許はたんすにしまい込まれるということらしい。ニュアンスとしてはこちらのほうがわかりやすい。

【解説】
 韓国の新聞で「たんす預金」が出てきた場合はほとんどが日本について書かれた記事だ。韓国語だとへそくりは「非常金」などという。韓国はキャッシュレス化が進んでおり、へそくりを現金で隠す人はもうほとんどいないらしい。多くはスマホで決済できるネットバンクに貯めておくそうだ。スマホなので自分以外が操作することはまずないので隠し場所が家族にばれるということもなく安全なのだとか。

(初出:The Daily Korea News 2009年11月25日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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