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むかし書いた韓国コラム #63

 地下鉄1号線に乗り北上すると議政府を過ぎ東豆川にたどりつく。米軍基地の町として知られる東豆川だが、特に保山駅前の一帯は米軍など外国人向けの飲食店や雑貨店などが建ち並び独特な雰囲気がある。道を歩く人も外国人が多く、日本人や韓国人は少数派。なんとなく肩身が狭い。

 食事をしようと入ったお店はハンバーガーやピザなどを出すアメリカンスタイルのレストラン。外国人客が多くメニューもドル建てで表示している。席について店員を呼ぼうと思ったら外国人っぽい。韓国語で「ヨギヨー」と呼ぶべきか、英語で「エクスキューズミー」と呼ぶべきか。迷っていたら目が合ったのでこれ幸いと手招きで呼ぶ。フィリピン系という女性店員は普通に韓国語が通じたが、店によっては韓国語が通じない店員もいる。

 韓国とは思えない異国ムードあふれる保山駅前だが、7月からは米軍部隊の平沢への移転が始まり来年までに完了する。少々怪しげなこの雰囲気を味わえるのもいまのうちかもしれない。

【解説】
 米軍基地のお膝元で異国情緒にあふれると言えばソウルの梨泰院が有名だが、東豆川は観光地化していないガチの米軍基地の街だ。この街に1カ月滞在しながら外国料理を出す飲食店を片っ端から訪問したが、梨泰院では味わえない独特の雰囲気があった。個人的に韓国の外国人街が好きであちこち回ったが東豆川はお気に入りのひとつだ。ただ万人受けする場所ではないことは強調しておきたい。

(初出:The Daily Korea News 2016年5月30日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)

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