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むかし書いた韓国コラム #60

 バスを降り松島新都市に降り立った時、目の前に広がる光景に一瞬タイムスリップしたかと思ったほどだった。韓国がいま開発に力を入れている松島新都市は、韓国最高層ビルの北東アジア貿易センターをはじめ、高層マンションが立ち並ぶ近未来都市だった。

 20年ほど前のこと。当時の松島は水原との間をナローゲージと呼ばれる軽便鉄道規格の水仁線を小さな列車がカタコトと走るのどかな田園地帯が広がっていた。筆者が水仁線に乗ったのは末期のころですでに松島~漢大前間は廃止されていたが、それでも1日3往復のローカル線の沿線には長閑な風景が残されていた。

 現在の水仁線は高規格の複線電化路線となり往事の面影は偲ぶべくもない。松島新都市は松島駅の海側を埋め立てて作られた人工都市。開発から10年で人口は17万人に達した。まだ多くの建物が建設中で今後の発展が期待される。短期間での変貌ぶりに目を見張った松島探訪だった。

【解説】
 旧水仁線に乗ったのは93年のこと。単に列車に乗っただけで周辺を散策したりとかはしなかったが、それでもソウルよりもはるかに田舎の風景が広がっていたことを覚えている。それだけに、20年でここまで風景が変わるものかと驚いたもの。いまではさらに発展していることだろう。

(初出:The Daily Korea News 2013年11月20日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)


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