むかし書いた韓国コラム #420
4年前の大統領選挙で当選を決めた後に光化門広場で国民向けに抱負を述べた朴槿恵大統領。当時その現場で撮影した動画を見返してみた。
朴氏は「国民から寄せられた信頼を心深く刻み、国民みんなが夢を叶えられる、小さな幸せでも感じながら暮らせる国民幸福時代、私が必ず開きます」と力強く述べた。いまとなっては国民の信頼を本当に心深く刻んでいたのかは疑問だ。「(遊説中に)あちこちを回りながら、市場で手を暖かく包んでくれた人たち、寒い中で長い時間待ちながら私に信頼を寄せてくれた方たちにもう一度会いたい」。残念ながらいまや合わせる顔もないだろう。
「今回の選挙は国民のみなさんの勝利です」。そう話した彼女が退陣に追い込まれたのもまた国民の勝利か。「選挙期間中に約束した民生大統領、約束大統領、大統合大統領。その約束を必ず守ります」。大統領下野を求め国民がひとつになったという意味では大統合の約束は守られたか。ちょっと意地悪な見方ではあるけれど。
【解説】
朴槿恵氏の場合は特殊なケースだったが、韓国の大統領が任期末に大きく支持率が下がるのはいつものことだ。
(初出:The Daily Korea News 2016年12月1日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)