むかし書いた韓国コラム #484
日韓関係の急激な冷え込みは在韓日本人にとっては少々厄介な問題だ。筆者の場合、引っ越し先が決まり契約をすることになったのだが、このご時世だけに「日本人には貸さない」などと言われないかちょっと心配だった。ふたを開けてみればなんの問題もなく、「日本人は礼儀正しいし、部屋もきれいに使ってくれる。家賃も滞納しない」とのことでむしろ歓迎された。
いま住んでいる家も契約時に同様の不安を抱えていたが、今年で90歳になるという大家は日本統治時代への郷愁でもあるのか、やはり日本人の店子を歓迎してくれた。そして当時も「日本人は礼儀正しいし、部屋もきれいに使ってくれる」と言われた。これは一般の韓国人が日本に対して持っているイメージなのだろうか。
これまで住んだ家の大家はいずれも日本統治時代を経験している世代だった。しかし恨み言を言われることなど一度もなかった。個人対個人の日韓関係はこんな時期でも案外良好なのだ。
【解説】
どこでも「日本人なら部屋もきれいに使ってくれる」と言われたのだが、そんなのは人によって違うんじゃないかとゴミ屋敷化寸前の状況にしてしまった張本人は思うのである。
(初出:The Daily Korea News 2012年8月17日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)