むかし書いた韓国コラム #477
今月末からKTXが仁川空港鉄道に乗り入れる。これにより釜山や光州などからKTXでダイレクトに仁川空港に行くことができる。空港鉄道線内での高速走行はしないので、ソウルから仁川空港までの所要時間が短縮するわけではなく、ソウル在住者にとってさほどのメリットは感じられないが、竜山駅から利用できようになるので居住地によっては利便性が高まる。
空港行きのKTXはソウル駅の地平ホームを発着することになる。これはメリットと言えばメリットか。空港鉄道のソウル駅は地下7階にある。大きな荷物を持って長いエスカレーターを利用するのは少々しんどい。現在地下通路が工事中で地下鉄からの乗り換えは便利になりそうだが、バスやタクシーでソウル駅に着いた場合の乗り換えは現状以上の改善は見込めない。ソウル市民にとってKTXの仁川空港直通化のメリットは深い地下ホームを使わなくて済むようになるというくらいになりそうだ。
【解説】
しかし残念ながらKTXの仁川空港乗り入れはわずか4年ほどで中止されてしまった。利用率が低かったのが原因だ。乗り入れに当たっては連絡線を作ったり仁川空港駅のホームを改良したりと多額の投資をしたが無駄になってしまったようだ。
(初出:The Daily Korea News 2014年6月5日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)