むかし書いた韓国コラム #224
やましいことはないのだが、ビザ延長のための入管訪問は気が重い。小汚い格好で訪問して係官の心証を害しいろいろつっこまれてボロを出しても困るので、この日ばかりは普段はしないネクタイも締め、思いを寄せる女性と初めて食事の約束を取り付けた時のようにビシッと決めて行く。ただし入管に向かう道のりはデートに向かう時とは正反対で足取りは重い。
予約時間より早く着いたが遅れるよりはいいだろう。窓口の係官ににっこりほほえみながら「おつかれさまです。こちらお願いします」と書類を提出。あまり卑屈にへりくだり過ぎても怪しいのでほどほどにしておく。係官とのやりとりでは口元に笑みは絶やさない。
5分ほどの事務的なやりとりで書類は受理され、しばらくして滞在期限が延びた外国人登録証が返却された。1年で申請した期限は2年の延長が認められた。期限の設定はおそらく内部で規定があるはずだが、今回はさわやかな好青年を演じた効果によるものと勝手に思い込んでいる。
【解説】
時期によってはひげを伸ばしていることもあったが、パスポートの写真と違うことを突っ込まれても面倒なのでビザ更新の際はそっていた。梧木橋の本庁は厳しい印象で緊張したが、鍾路のグローバルセンターは若干緩い感じだった。ならば緩い方で手続きをすれば良さそうだが、住所地によって管轄区域が決められているため、管轄外の事務所に行くわけにはいかなかった。
(初出:The Daily Korea News 2012年12月18日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)