むかし書いた韓国コラム #307
ソウルではエスカレーターのステップの脇にほぼ必ずブラシ状のパーツがついている。日本でも見かけるがそれほど普及はしていないように感じる。エスカレーター利用者を観察していると、あのブラシで靴を磨く人が多い。たしかにちょっと剛性のあるブラシは、靴についた泥汚れなんかを落とすのに最適だ。中には器用に足をねじまげながらくまなく磨く人もいる。
ちょっと気になって調べてみたら、あのブラシの正式名称は「ドレスガード」というらしい。長いスカートの裾や靴などが巻き込まれるのを防ぐために取り付けられているのだそうだ。
以前はエスカレーターでは右側に乗るのがマナーだった。このマナーを守っていると当然右側の靴しか磨けない。なんと中途半端な設備なのかと思っていたが、もともとそんな用途ではなかったのだ。そんなことを知ってしまったが、くせになっているのでついついエスカレーターで靴を磨いてしまう日々だ。
【解説】
人がいないときには後ろ向きに乗って左の靴も磨いてたけどな。
(初出:The Daily Korea News 2010年2月9日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)
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