
むかし書いた韓国コラム #510
飲食店のレジ脇にキャンディが置かれているのをよく見かける。口直し用に置いているものだが、白いハッカ飴か、ヌルンジ味の飴であることが多い。ヌルンジとはごはんのおこげのこと。石釜で炊いたごはんを出す店では、ごはんを茶碗によそうとおこげが残る。ここにお湯をそそぐとスンニュンというおこげのお茶ができあがる。食後のお茶代わりにこのスンニュンを飲むのがこういうお店の定番だ。
このスンニュン、大抵の日本人は味がしないのであまり好みではないようだ。しかし飲み慣れてくるとだんだんと味がわかるようになる。ものすごくおいしいというものではないが、そこはかとなく香ばしさがあり、なかなか悪くない味に思えてくる。
冒頭のヌルンジ飴も最初はまったく味がわからず敬遠していたものだが、スンニュンの味がわかるようになったころから食べられるようになった。でもおいしいかというと、そこはいまだに疑問だ。
【解説】
ただヌルンジ飴は本物のヌルンジとは似ても似つかぬ味のような気もするのだが。ちなみに食事の締めとなるヌルンジの存在感は日本のお茶漬けと似ている。しかし韓国人にお茶漬けは味がしないと不評だった。ヌルンジの方がよっぽど味がしないと思うのだがなぁ。写真は販売サイトより拝借。
(初出:The Daily Korea News 2010年10月28日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)