むかし書いた韓国コラム #286
緊張が高まっていた南北関係は、高官会談が妥結し合意文が発表されたことでどうにか危機を乗り越えたようだ。もっとも、週末のソウルは普段と変わることはなく、スーパーでの食品類の買い占めなどのパニックも起きなかった。韓国人にとって北朝鮮の挑発は慣れっこなのだろう。
ツイッターで出回っているツイートが秀逸だった。「今北朝鮮がやばいけど、大丈夫なの?」と問う日本人に対し、韓国人学生が「ああ、あんなの日本人にとっての震度4みたいなもんだよ」と答えるというもの。韓国では有感地震がほとんどなく、日本を訪れた韓国人は地震に遭遇すると相当に怖がるが、地震慣れしている日本人は震度4ぐらいでは動じない。同様に韓国人は北朝鮮の挑発にいちいちあわてないのだ。
もっとも、どちらも絶対の安全が保証されているわけではない。過剰に大騒ぎする必要はないが、いつ来るかもわからない「その時」のための備えはしっかりとしておきたい。
【解説】
最近は韓国も地震が増えている。日本人は震度4でも動じないが、韓国では震度3くらいでも建物の外壁が剥がれ落ちたりするし、浦項で起きた地震では1年以上避難所暮らしをした被災者200人以上いたという。日本は北朝鮮の動向に大騒ぎしすぎだが、韓国は地震で大騒ぎしすぎのようだ。
(初出:The Daily Korea News 2015年8月26日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)