【コーヒー豆知識💡】コーヒーの焙煎度合いと味わい
みなさん、こんにちは。今週もウッドベリーコーヒーのnoteをご覧いただきありがとうございます。焙煎事業部の井上です。
今回のnoteでは、久しぶりに焙煎に関する話をしてみようと思います。みなさんは、コーヒー屋さんでコーヒーを注文するときやコーヒー豆を購入するとき、何を基準に選んでいますか?生産国やプロセス、この品種の味が好き、この農園のコーヒーが好きなどなど。その日の気分やパッケージのデザインで選ぶ方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、私たちが店頭でよく耳にするのは「浅煎りが好みで〜」「深煎りをよく飲むので~」と、焙煎度合いを元にした好みである場合が多いように感じます。今回はこの焙煎度合いとコーヒーの味わいについての関係を紹介していきたいと思います。
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焙煎度とはどのように決まるのか?
そもそも焙煎度合いとはどのように決められるのでしょうか?コーヒー豆の外観を元に、大まかな判別(いわゆる浅煎り、深煎り)はもちろん可能ですが、実は焙煎されたコーヒーの「色」を数値化して分別することもある程度できます。
コーヒーは浅煎りほど明るいブラウン、深煎りになるほど黒く暗い色になります。この「明るさ/ 暗さ」を、カラーアナライザーと呼ばれる専用の機械を用いてとして測定し数値化することができます。
0(暗い)から最大 130(明るい)までの尺度で、コーヒーの色を測定・数値として示し、またこれに対応した焙煎度合いも知ることができます。明るい方からライト(91-130)/ シナモン(81-90)/ ミディアム(71-80)/ ハイ(61-70)/ シティ(51-60)/ フルシティ(41-50)/ フレンチ(31-40)/ イタリアン(0-30)の8段階の焙煎度に区分して表されます。より聞き馴染みのある言葉に置き換えれば、シナモン~ミディアム程度が浅煎り、ハイローストで中煎り、シティ~フルシティで中深煎り、フルシティ以降が深煎り程度になるでしょうか。
このように専用の機械を用いることで、コーヒーの焙煎度合いは、ある程度定量的な「数値」として捉えることができます。そしてこのおかげで、私たちはコーヒーが狙い通りに焙煎されているか、また毎回同じように焙煎されているのか、数値を測定することで製品開発や品質管理に活用することができるのです。
焙煎度と味わいの関係
この焙煎度はコーヒーの味のバランスとも密接に関連しています。焙煎中のコーヒーでは生豆の成分が熱を受けて絶えず変化しており、特に風味が発達する段階(ディベロップメントフェーズ)の初期では、単純な化学構造の有機酸や華やかな香りを担う成分の形成が起こっています。この段階で焙煎を止めたものが「浅煎り」で、フルーティな酸味やフローラルな香りを感じ取りやすいのはこのためです。
さらに焙煎が進行する(=熱が加わる)と、この単純な構造の分子の多くはは揮発や焼失により失われる、あるいは分子同士が結合してより複雑な構造の分子に変化します。並行して、コーヒーの心地よい苦味を担うラクトン類などの形成が進むことで、マイルドな酸味・苦味のバランスが取れた味わいとなります。これがいわゆる「中煎り」の味わいです。
そして、さらに焙煎を進めると、分子同士の結合(縮合)反応が活発となり苦味を担う成分が味の主体となり、またフェノールなどスモーキーな香りが形成されます。これがいわゆる「深煎り」の味わいになります。
コーヒーの品種や焙煎の過程により、味わいの差(ベリー系なのか柑橘系なのか)こそありますが、焙煎に伴うテイストバランスの「移り変わり」は基本的に共通します。このことは、2011年のカンザス州立大学の実験でも示されており、同じ生産国の異なる焙煎度合い(浅・中・深)のコーヒー同士より、異なる生産国の同じ焙煎度のコーヒー同士の方が味わいが似ている(=成分バランスの類似度が高い)そうです。
好みのコーヒーを見つけるヒントに
冒頭のコーヒーの選び方に話を戻すと、焙煎度合いでコーヒーを選ぶというのは、大まかな好みの味わいから外さないという意味で、ひとつ理にかなった方法であると言えます。お友達へコーヒーをプレゼントする時など、好きな生産国を尋ねるより、まずは焙煎度を押さえておくとよいかもしれません。また「好みのコーヒーが分からない」という方も、自分好みの焙煎度を探すところから始めてみるのも非常におすすめです。さらには、一度飲んでみて好みでなかった種類のコーヒーも、異なる焙煎度では美味しさを感じられる可能性を秘めています。生産国や品種、精製方法による味わいの違いはもちろんのこと、焙煎による味わいの違いも、コーヒーの楽しみ方の一つとしてぜひ感じ取ってみてください。
ウッドベリーでは、コーヒーのパッケージ、または提供時に付属するインフォメーションカードに焙煎度合い(ROAST LEVEL)を5段階で表示しているので、好みのコーヒー探しのお供にぜひ参考にしてみてください。
さいごに
公式noteをご覧いただきありがとうございました。
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