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とりあえず表にしてみる

私は数学的思考法を日々の仕事や生活に役立てられないか考えています。数学的思考法というとむずかしく感じるかもしれませんが、基本編として、「とりあえず表にしてみる」ことをおススメします。(「そんなの言われなくても、あたりまえにやっている」という方も多いかもしれませんが、基本編ということでご容赦ください。)

例えば、以下のような資料があったとします。

先月発売した当社の最新モデルAの売上は好調で、特に日本国内や米国での人気が高く、新規注文は、ほぼモデルAになっています。一方で、アジアではモデルAの注文は少なく、廉価版のモデルBや昨年モデルに人気があります。欧州では、依然として昨年モデルが売れています。最新モデルで小型化したのが裏目に出た可能性があります。

文章もいいですが、表1のように書き直してみると、一目瞭然で、分析もしやすくなるのではないでしょうか?(具体的な情報があれば、金額等の数値を入れると、さらに効果的です。)

別の例を挙げます。設備投資でA社とB社のどちらから購入するかを検討しています。部下から、以下のような報告を受けたとします。

A社とB社の情報を集めましたが、予算1億円に対して、A社は1億2千万の見積もりをもらっています。B社は、1億円は上回らないだろうと言っています。B社は納期3ヶ月とA社の5ヶ月よりも短いです。A社は、省エネ仕様や24時間サポートがありますが、金額と納期からB社に決まりだと思います。B社は海外製で設置前に電源工事が必要なので、工事業者の見積もりももらっておきます。

私なら、話を聞きながら、ホワイトボードやExcelで、表2のようなメモを作成します。

設備投資は6ヶ月以内に必要という認識があるとすれば、報告になくても、情報として、書き加えておきます。話を聞きながら、基準があればそれに照らし合わせて、なければ感覚でも良いので、◎, ○, △, ×などを記入します。そうすると、B社は、ランニングコストや購入後のサポートに関する情報が不足していることに気づけます。A社も省エネ仕様とは言うものの、どれだけの効果があるのか、他に消耗品費用がかからないかなど、ランニングコストに関する情報が必要なことがわかります。また、B社は電気工事が必要だということで、本体価格以外に全体として必要な金額を確認すべきことに気づきます。A社についても、本体以外に必要な金額を確認すべきです。ここまで書いたところで、1年目の出費と2年目の出費の行を追加したくなります。A社は予算オーバーしているものの、総合的にどれだけの出費になるのかも含めて、最終的な判断が必要で、不足している情報が整理できます。

このように、表にすると、視覚的にわかりやすく、不足している情報に気づくことができます。仕事だけでなく、日々の生活でも、表にするとわかりやすくなることがあります。選択肢や確認項目が網羅できていないことに気づくこともあります。感覚に流されず、客観的に判断するツールとして、表にしてみることをおすすめします。

まずは言語化(箇条書き)。できるなら、表にする。もっとできるなら、図やグラフにする。これを意識するだけで、情報や思考の整理に役立ちます。

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