プロジェクトXで「コロナ第一波の致死率5%以上」ほんとですか?
プロジェクトXで,コロナ第一波での「医療従事者の闘い」を紹介するそうです。
新プロジェクトX〜挑戦者たち〜
パンデミック 東京の危機〜第1波 医療従事者の闘い〜
初回放送日:2024年12月14日
予告の文面では,
「致死率は5%以上。死と隣合わせの重症患者が次々とやってきた」
「命を救うために立ち上がった人々の勇気の物語」
などとあります。
致死率5%以上,ほんとですか?
Our World in DATA の情報を見てみます。
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確かに第一波の辺りで致死率は5%を超えています。
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感染者(陽性者)が4月を中心に増えたのに対して,
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4月末から5月にかけて,つまり約ひと月遅れて死者が増えています。
そして,死者が増えるころには第一波は終わりかけており,感染者は増えないままに陽性者の中でも基礎疾患がある高齢者などが通常の寿命で亡くなっていったでしょう。つまり致死率の分母が増えないままに分子が増えていったと思われます。
厚労省によると,ダイヤモンドプリンセス号における致死率は,
13/712 = 1.8 %。
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日本人の陽性者は,総数が691人の時点での厚労省の発表によると277人。最終的な死者は9人なので日本人だけでの致死率は 9/277 = 3.2 %。全員70代以上。最後の2人は4月9日と14日と寄港後2ヶ月以上経ってから死亡。4月9日の死者は年齢も死因も非公表。他,3月後半の死者2名も死因非公表。
感染研発表のデータによると,
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2月3日に入港後,2月15日には発症者も出なくなった一方,死者の過半数は3月に入ってからです。死者の年齢はほとんどが70代から80代。
さらにコロナ陽性者には同時にA型インフルエンザ陽性者もいたとのことです。1人いたということは,インフルエンザも流行っていたのではと疑われます。
これらを見ると,もっとも免疫を持っている人が少なかったと思われるダイヤモンドプリンセス号において明らかに致死率は5%を大きく下回っていました。そうすると12月7日放映のプロジェクトX「クルーズ船 集団感染 ~災害派遣医療チーム 葛藤の記録~」の内容もちょっと大げさなのではと思えて来ます。
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NHKに,ちょっと意見を送ってみてもいいかも知れません。
私は,ダイヤモンドプリンセス号のデータでもうFA,つまり結論は出ていると思っています。遅くともデキサメタゾン(ステロイド)が新型コロナ治療薬として承認された2020年7月に。
「新型コロナウイルス感染症」や「Covid-19」と呼ばれた「SARS-CoV-2感染による疾病」は,普通の風邪扱いでよい,と。
一日も早く「新型コロナ」の5類指定を解除し,本来の「無類」に戻すべきです。
普通の風邪の5類指定などもってのほか。