夢について
どうも、この度無事に研修医2年目となりましたドルオタ研修医です。
本当は4月に書いておこうとメモ帳に書き溜めていたのですが、季節は移ろいGWも圧倒的スピードで過ぎ去り、6月、雨の日が多く梅雨本番を迎えておりますね。
以下4月に出そうと思った駄文でございます。ご査収ください。
4月は良い季節ですね、新たな環境、新たな出会いそして、僕の誕生日があります(アラサーに差し掛かりました。。。)
入学や入職等、ステージや環境が変わって絶妙な緊張感が生まれ、新生活頑張ってる方もいるのではないでしょうか?
最近、夢が叶った人、惜しくも夢に届かず向かってまだ頑張りが必要な人、また夢に向かって頑張ってる途中の人。色々な人と会い、話し、またその頑張りの場を目にする機会が多かったせいか、ふと夢について考えることが多くなったのでここいらで文章化させていただきます。
もしお時間がおありでしたら、駄文にはなりますがお付き合い下さい。
3月半ばの当直中、僕の院内PHSに病棟からcallがあり病棟へ赴き対応しました。
患者対応が一段落し、看護師さん達と世間話をしている途中、その月限りで退職する若手の看護師さんがいたので、なんで辞めるんですか?と問いました。
すると、少し恥ずかしそうに「看護師を4年続けて、お金も溜まったので、夢だった声優を目指すために4月から養成所に通うんです。」と言いました。
それを聞いて、僕はなんて素敵なんだろうと本心から思いました。思うどころか言葉に出てました。
すると、そう言ってくれると本当に嬉しいですと返答がありました。
きっと彼女は普段だったらこんなこと言わないんでしょう。反対やバカにされることもあったかもしれません。夜勤帯で人も少なくもう病院を辞める日が近いから僕に話してくれたのだと思います。
なぜ話してくれたか本当のところは彼女本人しか分かりませんが、僕は夢に対して一歩踏み出したことへ本当に尊敬を覚えましたし、そんなエピソードが夢に対して改めて考えるきっかけとなりました。
皆さん、夢持ってますか?
この記事を目にする人は僕と同世代が多いと思いますが、皆さんがまだ純粋無垢だった幼稚園児、小学生くらいの時を思い出してください。
男性であれば仮面ライダーや戦隊モノ、プロ野球選手やプロサッカー選手、はたまたパイロットや宇宙飛行士、大金持ち等、様々な夢があったと思います。
女性であれば花屋さんやケーキ屋さん、アイドルや保育士さん、お嫁さんなんて夢もあったのではないでしょうか?
近年ではYouTuberになりたい子なんかも多いと思います。
そんな小さな頃の夢ずっと持ち続けて叶えられる人は多くは無いと思います。
多くの人は成長すると共に様々な経験から夢は変わっていくものと思います。
漠然と○○になりたいと思っていたのが、部活の大会で全国に出たい、気になるあの娘と付き合いたい、第1志望の大学に受かりたい、仕事で出世したい、結婚して幸せな家庭を作りたい、子供が幸せになって欲しい等、年齢や環境によるステージによって大小あれど、色々変わってくるでしょう。
そんな夢ですが、年齢を重ねると共に、現実的じゃない、背負うべき物や守るべき立場できてしまって挑戦できない、そもそも挑戦する体力が無い、僕の夢は社会通念上許されるものではありません等、色々な理由で断念してしまった人もいるのではないでしょうか?
(最後の人は断念したままでお願いします)
夢が生きる活力になるんだから絶対に何か夢を持ちなさい、なんて綺麗事は言うつもりはありません。
何度も夢見て挫折した人、失敗ばかりで気持ちが切れてしまった人、少なくはないと思います。
しかし、どんな些細な夢でもそれを叶えるために行動に起こすことで例えそれが失敗に終わったとしても今後の人生の少しの糧にはなるのではないかと僕は思います。
僕の今の夢は中学生の頃から持ち続けた夢になります。
小学生時代はプロ野球選手を目指していた僕。
大きな夢を持って親元を離れ、甲子園常連校の附属中学へ進学しました。
町内では一、二位を争うほど球速が速く、長打も打てる僕は、そこでは全ての野球能力でビリッケツでした。
僕よりも何km/hも速い球を投げ、大きな打球を飛ばし、更には足も速く、守備も上手い、そんな化け物のような中学生が県を跨いでやってきていたのです。
そんな現実を目の当たりにし、日々運動能力の低さをバカにされながら、自信を失い、さらに親元を離れた影響からか私生活でも忘れ物や遅刻をすることで監督から叱られ、時に練習から外されることもありました。
試合はもちろんベンチ、いやベンチに入れればラッキーで大会では1人ベンチ外も経験しましたし、スコアラーを任されることも多く、プレーできる可能性がほぼゼロに近い野球部生活を送っていました。
プロ野球選手という夢は日に日に霞んでいき、いつの頃からか「あっ、こういうヤツらがプロに行くんだ、俺に才能は無いんだ。」と諦めに近い考えが頭を支配していきました。
そんな中、当時僕と野球能力でビリ争いをしていた同期がいました。しかし彼は諦めていませんでした。
足も遅く、肩もそこまで強くない、痩せ型で非力ながらも投球フォームの綺麗さから回転の綺麗なボールを投げる選手でした。
彼とはよくどちらが速い球を投げれるか、速く走れるかを競っていました。
しかし、彼には僕にはない、諦めの悪さと努力を継続する力がありました。
結果として彼は高校、大学と通用しないと思われた強豪に進み、ケガに苦しみながらも努力を辞めることなく、才能を開花させ、プロ野球選手となりました。
(プロ入り後もケガに泣かされる事も多く、今年1年は手術を受けるシーズンだそうです。でも彼はここから這い上がれると信じてます。)
そんな数多の困難を乗り越え夢を叶えた彼とは対照的に、途中でプロ野球選手という夢を諦め、憧れて入学した中学から地元の中学へと転校し、自分よりも才能のある奴だけでなく、努力で乗り越えられる奴も世の中わんさかいるという現実から逃げ、大きな挫折を味わった僕は新たな夢を見つけました。
それが整形外科医そしてスポーツドクターです。
スポーツをする上で怪我は大なり小なり避けられないものと言えます。
レベルを問わず多くの才能が怪我で消えることが少なくない世の中です。
自分自身中学から高校へ上がる際に肩を負傷しましたし、高校最後の夏の大会前もつまらないことで足を捻挫し、不完全燃焼で高校野球生活を終えました。
しかし、多くのスポーツ外傷には特効薬はなく、安静にすること以外に効果的な治療法や対処法が普及してる訳ではありません。
高水準の医療を受けられるトップアスリートならいざ知らず、大事な大会前にどうにか試合に出られないか打診してくる中高校生達に、諦めて休みなさいとしか言えない医者ではなく、そういう人達の立場に立って考え、その人の将来まで見据え、医学的にベストな治療だけではなく、本人が後悔が無いように、今この瞬間を生きるために将来へのリスクを覚悟するのか、目先の大会よりも今後の可能性を信じるのかを本人が決断できるよう知識を提供し、本人にとってベストな治療をする整形外科医になりたいといつしか考えるようになりました。
今でもその思いは変わらず、ありがたいことにそういったことに挑戦できる環境を親をはじめ友達や先生等多くの人たちに与えてもらいながら26歳になった今も夢へ挑戦できています。
医学部入学、医師免許取得と一歩一歩階段を登り、そして研修修了が約1年後に迫った今、夢へのスタートラインが見えてきたことで楽しみと同時に恐怖さえ覚えています。
自分の夢への気持ちは本当だったのか、現実を知ってまた挫折しないか、色々な不安を抱えていますが、まずは夢を叶えるステージに立てたことに感謝をして日々頑張って生きたいと思います。
かなり長くなってしまいましたが、僕の夢への考え方が何かしら夢を持つ人の、それを叶えるための一つのモチベーション材料になってくれたら幸いです。
では、また。
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