東京HJ出走確定前全頭診断
東京HJ事前評価
S:ジューンベロシティ
A+:ニシノデイジー
A-:トライフォーリアル、ホッコーメヴィウス、ニューツーリズム
B+:イロゴトシ
B-:ダイシンクローバー、マイネルグロン
C:サイード、シャンボールナイト
D:ヤマノグリッターズ、フロールシュタット
イロゴトシ ※斤量62kg
前走中山GJ1着(前走レベルA-) 主な勝ち鞍:中山GJ
九州産馬の星。異次元のスタミナとフィジカルで不良馬場を物ともせず。
脚質は差し。距離は長いほど良さそう。
得意コースは中山、小倉。この2つしか経験が無い。未知数。
東京は経験なしなので適性不明。
<深堀り>
現障害界屈指のスタミナモンスター。
普通の馬なら止まってしまうような馬場をモノともせず加速する変態フィジカル。
入障4戦で2-0-2-0と初戦からセンスを見せて2戦目は出世レースになる程。
初めての大障害で鞍上のリードから絶好のコース取りを実現する
操縦性の高さからも天性の障害センスがある。
懸念点はかなり多い。
前走の勝ち方、鞍上、スピード競馬の対応。
前走の勝ち方。ニシノデイジーが大障害を勝った時と同じく恵まれすぎ。
デイジーが出遅れたことで全体の流れが遅く、理想的な進路取りが出来た。
仕掛けも併せる形。展開は完全に漁夫の利といった形。
レース内容だけなら着差こそあれどソクラテスやメテオの方が強い。
ただ、あれだけの着差を作っての勝ち方なので能力面に不安は無い。
鞍上の黒岩Jは東京での勝ちに乏しく、
過去5年東京実績は0-5-2-7で一見悪くないが、うち半分メヴィウス。
近走も未勝利戦の活躍は中々だが、OP以上の良績はイロゴトシしか無い。
メヴィウスの騎乗もヘグりまくりで、とにかく消極的で下ろされてしまう。
不得意なコースかつ、鞍上のセンス面でも少々気になる所はある。
展開を自分で作る、スピード勝負の対応、斤量の克服と
乗り越えなければいけない壁は多い。
現王者の意地を見せられるか。
プラス評価:「スタミナ」「飛越巧者」「操縦性」
マイナス評価:「鞍上」「スピード対応」「斤量」「フロック」
総合評価:B+
サイード
入障してからの4戦が全て平均かそれ以下の水準。
新潟OPの時計は中々優秀。
なんならアルカンサスと0.1という点でも地力面には疑問有。
KYT君は東京で馬券内が1度も無い。
総合評価:C
シャンボールナイト
引退レースで3着とってからの延長戦でOP2連勝。今回も引退レース?
連勝した2戦は展開に恵まれすぎた。石神Jだからこそ出来た内容。
ロードアクアが休養したことで難波Jに乗り替わり。
メイショウアルトに完敗してることから重賞レベルの相手だと足りないか。
総合評価:C
ジューンベロシティ
前走阪神JS1着 主な勝ち鞍:阪神JS、東京JS
天才と天才の化学反応。夏の上がり馬として活躍目覚ましい。
脚質自在だが基本は先行。終いもキレる。
得意コース不問でコースなりの走りが出来る。新潟中京は少々相性悪そう。
東京JSの勝ち馬でもありコース相性は抜群。バイアスも不問。
<深堀り>
まずは前走の内容を引用
ホッコーメヴィウスの復活により締まった流れになるがそれを単独で
捕まえに行って最後突き放す強い内容。
地力面に関しては現状トップ層で間違いない1頭。当然ここも主役。
強みは脚質と展開への対応力。
逃げ、先行、差し、追い込みまでこなせていずれも結果が出てる。
飛越の安定感も抜群でコースと馬場への対応力も抜群。
不良馬場の中山や、超高速馬場の新潟のような極端な条件は未知数。
今回は差し競馬で快勝した東京コース。
前走同様ホッコーメヴィウスの作る流れを捕まえる競馬か。
不安要素は鼻出血の再発くらい。
元々平地より競争中止の多い障害でもう1つ爆弾を抱えているのは危険。
なお鼻出血してもテーオーソクラテスと0.2差の2着。
最も不安要素が少なく、地力面、適性面ともに証明済み。
重賞ウィナー、実績馬が揃うここでどれだけのパフォーマンスを見せられるか。
プラス評価:「脚質・馬場・展開不問」「飛越巧者」「誠の心」
マイナス評価:「鼻出血」
総合評価:S
ダイシンクローバー ※斤量61kg
前走京都HJ1着(前走レベルC) 主な勝ち鞍:京都HJ
「もう今までの俺じゃない」去年秋から本格化し、待望の重賞勝利。
脚質は先行。展開馬場不問で抜群の安定感が売り。
得意コース不問だがトリッキーなコース程相性が良い。
去年の東京HJ3着の他OP勝ちもあって得意コースと言えそう。
<深堀り>
結論から言うと「危険な人気馬」評価。ここは完全に叩き。
まずは前走の見解を抜粋。
要点を挙げると
・操縦性特化で真っ向勝負向きではない。
・臨戦過程がキツすぎる
この2点故に前走は危険な人気馬として挙げた。なお結果は1着…。
(本命テリオスルイは即落馬した上にそのまま引退)
京都HJはスロー前残りで先行した有力馬がそのまま残る形に。
今一度危険な人気馬として挙げる理由は
・やはり操縦性特化。スピード勝負では分が悪い。
ハロン13.3以下でのレースでの好走歴が無い。時計勝負は無理。
去年3着だがウチデの故障が無ければ大差4着。
・前走からの大幅な相手強化。
前走は重賞勝ち馬0。今回は他に6頭。ペースも格段に苦しくなる。
・斤量増加。
プラス評価:「操縦性」「東京実績」「乗り替わり」
マイナス評価:「スピード不足」「相手強化」
総合評価:B-
トライフォーリアル
前走東京JS3着(前走レベルA-) 主な勝ち鞍:障害未勝利
昇級からいきなり重賞で連対。素質の塊。
脚質は先行。キャリアは浅いが安定した飛越と巡航速度。
得意条件は順周り。ペースが緩みやすいちょっと長めの方が良さそう。
東京JSで3着の実績あり。コースはこなせるハズ。
<深堀り>
イロゴトシ組の出世頭。勝ちこそ無いが安定した走りが魅力。
飛びに関しては多少モタつくところもあるが飛び負けは少ない。
安定した先行力と堅実な末脚で特徴こそ無いが一番ブレないタイプ。
この馬の最大の評価点は前走の位置取りと着順。
逃げたロードアクアとザメイダンが大きく着順を落とす中、3番手で進めて
後続を離した3着に残したこと。
差し決着の中で残した地力は間違いなく本物。
不安要素は相手強化と乗り替わり。
蓑島Jは新潟の成績は他場と比較して飛びぬけて優秀だが、東京だと
直近5年は勝ちすら無し。
とはいえ直近で重賞勝ちもあるほか、落馬復帰明けをいきなり勝利など、
好調の波に乗れていて今年は一味違う。
キャリア浅故の上澄みも期待できる。経験コースでモタつきも多少マシか。
脚質故に大崩れはし辛く、上位層相手にどこまで通用するか楽しみ。
プラス評価:「先行脚質」「末脚」「東京連戦」
マイナス評価:「乗り替わり」「相手強化」
ニシノデイジー ※斤量+2kg
前走中山GJ8着(前走レベルA-) 主な勝ち鞍:中山大障害
飛ぶのは嫌だが負けるのはもっと嫌。前進気勢とスピードの塊。
脚質は先行気味の差し。抑えが利かないというのが正しいか。
得意条件は順周り高速馬場。操縦性は良くないのでシンプルな方が良い。
東京は2戦1勝2着1回で慣れたコース。襷が無い方が良さそう。
<深堀り>
阪神SJ、中山GJで名手石神Jを迎え1番人気に推されるも惨敗。
立て直しての臨戦で鞍上も五十嵐Jに戻る。
ここで前走中山GJ予想時の一部を抜粋
こいつ馬とホースマンへのリスペクトってのが無いんですかね…?
案の定予見してた危険要素が全てハマる形。
とはいえ3コーナーまで気持ちは途切れておらず、見せ場はあった。
気性面の不安要素も危険というほどではなかった模様。
前走から大きく変わる条件を挙げると
①馬場、季節条件の好転。
春の雨が多い時期から、秋の渇いた空気と路面状況へ。
馬場が硬くなって本来のスピードが活かしやすい馬場になりそう。
特に前走は雨の降る不良馬場での競馬。明らかに向いてない。
いくらハービンジャー産駒でも極端な道悪では厳しい。
パドックの時点で馬もかなり気持ちも落ち着かなかった様子だった。
むしろこの状態で途中まで勝負に持ち込めてたのが異常。
馬場条件は間違いなく好転するほか、血統的にも秋は相性が良さげ。
②コース形態の好転
難解で襷が2回あるコースからシンプルな順周りへ。
そもそもこの馬は操縦性に関してはあまり良くない。
大障害こそノーマークで進められたが故にスムーズに進められたものの、
阪神SJでは外回し、GJはイロゴトシに進路を潰されるなど。
襷コースでベストな進路取りをするのは不向きなタイプ。
気性面でも進路を邪魔されてプラスになることは無い。
順周りではそれらの心配が一切無くなる。
③五十嵐Jへの乗り戻り
過去2戦の内容を見るからに、誰がどう見ても石神Jは相性が悪い。
阪神SJ3勝、中山GJ6勝の名手でコースへの理解度は高いが、
それ故に馬を制御する方へ重きを置いてしまう印象。
元々主戦の五十嵐Jは制御するというよりは馬に任せるタイプ。
(この辺りの話は競馬ブロスの石神J回で出てた話。毎週再放送しろ)
この馬の気性は走るのを止めるというより、気持ちよく走らせた分
パフォーマンスを挙げてくれる。裏を返せば気持ちよくないと
十分な実力は発揮できない。
その点においては五十嵐Jは思い切った競馬が出来る。
実際中山大障害の時もコーナーでのロスを承知で馬群から離したり、
ちょっと無理にでも加速して飛越時にゴチャつかずスムーズに
飛べるようにしたりと、結構大胆な立ち回りをしてる。
とりあえず前付け、とはまた違った積極性のある競馬がこの馬にとって
一番やりやすく、実績も挙げてる。五十嵐J騎乗時はオール馬券内。
東京コースは過去2戦経験があって1勝2着1回。
枠順の有利不利が結構露骨に出るので7,8枠は避けたい。
前走の出遅れは流石に度外視だが、そこまで出は良くない。
ホッコーメヴィウスがいる以上楽なペースにはならず、スピードの
絶対値が高い馬でないと展開上厳しい。
その場合平地2歳G1レベルの平地力と強烈な前進気勢のあるこの馬は
序盤の我慢さえ利けば理想的な立ち回りが出来るハズ。
最後に蛇足的な予想となるが、ニシノデイジーがいわるゆる「勝負駆け」
するのは今回が最後にして最大のチャンス。
というのも主戦の五十嵐Jのお手馬事情はJG1ならミッキーメテオ、それ以外なら
トライフォーリアル、マイネルグロンとお手馬が渋滞している状況。
元々過去2戦を先約とはいえJG1を勝った馬を蹴ってまでメテオを選んだ上、
今回更にお手馬2頭が出走するにも関わらず手戻り。
心理的に負けてはいけない条件が揃ってる五十嵐Jの心中は如何に。
各陣営に対してジョッキーとしての信頼を示すなら、必勝の舞台。
G1馬故に62kgを背負う。阪神SJは負けはしたものゲートから飛越、
折り合い等全てがグダグダの中で3着まで追い込んでおり、斤量を
背負うだけのポテンシャルは証明済み。
以前からこの条件なら復活があると見込んでいただけに期待したい。
プラス評価:「コース替わり」「乗り替わり」「平地力」「勝負気配」
マイナス評価:「気性」「出遅れ」「飛越」「斤量」
総合評価:A+
ニューツーリズム
前走新潟JS2着 主な勝ち鞍:新潟OP
新潟専用機で前年のレコードタイの時計持ち。持ち時計No.1。
脚質は先行。出足の鈍さが近走大幅に改善して脚質変化。
得意条件は新潟。勝ち切れないが毎度内容は一番強い。
東京は初となるが、固定の対応次第。左回りは〇。
<深堀り>
去年からの成長が目覚ましい1頭。
終い一辺倒から好スタート好ダッシュを決めてすり潰す王道型に。
更に前走ではテリオスベルさながらの強引なハナ主張から展開を作って粘り込み。
典型的な新潟巧者で新潟以外ではからっきしなのも潔し。
ちなみに平地の馬券内4回中3回が東京で単純に左利き説がある。
強みは圧倒的な持ち時計と脚質。
前走負けはしたものの前で引っ張って前年のホッコーメヴィウスと同タイム。
去年の新潟はレコード連発や上がり31.4が出てしまう馬場だったので、
馬場の違いを考慮すれば時計は同じでもこちらの方が上。
しかも内容が逃げるホッコーメヴィウスとフォッサマグナを正面で
強引に捕まえて後続を離すおかしな内容。
後方待機したサクセッションに差されたが、最後差し返す根性を見せており
負けはしたものの内容は非常に濃い。
今回も逃げ先行過多でこの馬の立ち回りはハマりそう。
懸念は固定障害への対応。前走かなり危険な飛び方を繰り返しており、
スピードと引き換えに安定性は犠牲にしている節がある。
新潟巧者故に他場の成績が壊滅しているのは、左利きなのを考慮しても
飛越の安定性に難がある点は否定できない。
実際4着に奮闘した春麗JSでは飛び負けこそしていないが水郷で水しぶきを
上げてしまうところも見受けられた。
付け加えるなら今回もテリオスベル戦法をする場合、押し上げたい正面は
大生け垣、大竹柵が設置してあるので立ち回りに相当な支障がでる。
もう1つ挙げるなら加速力に乏しいこと。
闘魂注入型でスピードを維持したい本馬にとって固定障害や、4コーナーの
急旋回など減速要素が多いのは危険。
先行力を得た代償として末脚が犠牲になってる分、直線では先頭じゃないと
勝ち切るのは不可能。
勝つにはテリオスベル戦法必須。
しかも日曜日には雨予報。スピード一辺倒には向かい風のコースと馬場か。
プラス評価:「持ち時計」「テリオスベル戦法」「先行力」「左回り巧者」
マイナス評価:「瞬発力、加速力↓」「馬場」「固定障害」
総合評価:A-(重馬場以上でB-)
フロールシュタット
平場でも追走力不足。
終い勝負のパワースタミナ型なので泥んこ平場でワンチャン。
総合評価:D
ホッコーメヴィウス
前走阪神JS(前走レベルA+)
前走で完全に復調。去年の京都JSより時計も詰めて前年以上か。
脚質は逃げ。ハイラップに対応できない馬は振り落とされる。
得意コースは順周り。大生け垣、大竹酢は問題無し。
東京は重賞で5戦4連対の超得意舞台。
<深堀り>
前走で馬体重を増やして完全に復活を果たした。
むしろ平沢Jに乗り替わって前年以上に強い。
使って良くなるタイプだけにここまで戻せれば、好調は維持できそう。
評価要素については東京JSの時のモノを引用。
この時から大きく変わるのは、鞍上と相手関係。
乗り替わり2戦目で評価は大幅アップ。
以前の評価では生け垣、竹柵での飛越の減速が大きくて、ここでの緩みが
懸念点の1つであった。
平沢Jに乗り替わった前走では正面の連続障害での減速が抑えられ、
かつ完歩の併せ方が良くなったことで前足が生け垣内にかから無くなった。
状態面の改善もあるが、乗り代わり面での技術向上でロスが軽減できる。
相手関係に関しては東京JSと比較して大幅に強化。こちらは苦しい。
前走完敗したジューンベロシティほか、逃げ馬潰しのテリオスベル戦法を
身に着けたニューツーリズムはかなり厄介。
特にこの2頭はホッコーメヴィウスの専売特許である時計勝負に
対応出来てしまうのが脅威。
プラス評価:「逃げ、先行力」「乗り替わり継続」「東京実績」
マイナス評価:「相手強化」
総合評価:A-
マイネルグロン
前走福島OP1着(前走レベルB-) 主な勝ち鞍:OP2勝
去年の春麗JSから才能が開花。ザ・パワー型。
脚質は先行。早め先頭からの押切が王道パターン。
得意条件は襷有、もしくは中山。
順周りは新潟OP3着があるが低レベル戦。
<深堀り>
ゴルシ産駒障害馬の馬っけを出す方。牝馬がいなくて一安心。
暑いのが苦手でここから始動
平場では抜けた能力を持っており、地力面は既に重賞レベル。
誰が乗っても走る馬で、コースへの対応力も高い。
馬っけは出すが操縦性が良い。
パワースタミナに関しては上位レベル。
入障してから稍重以上ではオール馬券内で、福島ではマイネルヴァッサーを
千切って圧勝など、ステゴ系が走るはドンピシャで走る。
東京HJ当日の雨予報で馬場が渋るなら相性は非常に良い。
懸念はスピード対応力。昇級初戦とはいえ新潟ではおいてかれてる他、
低レベル戦でも勝ち切れていない。
雨の影響がなく、ホッコーメヴィウスのいったいったが決まってしまうなら
この馬の出番はほぼ無いと言っていいレベル。
プラス評価:「道悪巧者」「スタミナ」「操縦性」
マイナス評価:「パワー・スタミナ偏重」
総合評価:B-(重馬場以上A-)
ヤマノグリッターズ
来週の新潟の平場に行こう!
総合評価:D