元・生徒に聞いてみた
以前、私自身の子育てがどうだったかに
ついて息子に直接聞いて記事を書いたが、
今度は元・生徒にインタビュー。
小学生~高校2年頃までレッスンを
担当したKちゃんは、日本で英語を学び、
やがて韓国語も学んで今年から社会人。
長く続く英語学習の初期(幼児期から小学生)が
その後にどう影響したのか、また、多言語の
学びに対する考えなど誠実に語ってくれた。
Q.小、中、高、大学と成長していく過程で、自分の「英語力」が成長していると実感した瞬間はどんな時でしたか?
A.自分の英語の成長を実感した最初の瞬間は、中学生になってから受講した英語教室でのネイティブとのペアレッスンです。(※当時、私とネイティブ講師とのペアレッスンは、2ヶ月に1度行われていました)
小学生までの英会話では、英語を感覚で捉える学習を重点的に行なっており、単語の意味や文法に対する理解度はまだ劣っていたため、正直ネイティブの方とは意思疎通ができている感じがしませんでした。
しかし、中学生に入ってからは、学校で学習する単語・文法に対する知識が、幼少期から感覚で捉えていた英語と結びついたことで、英語が実際に使えるモノに進化しました。これにより、ネイティブの先生方と
英語で自由にお話できるようになりました。中学時代は、ペアレッスンのたびに自身の英語力の成長を実感していました。
高校時代は、年に一度のTOEICの受験が義務でした。高校では、国際バカロレア認定校の英語教育を受けていた私ですが、対策を怠っていたせいか、TOEICでは年々点数が大幅に伸びることはありませんでした。
しかし、TOEICの対策を直前に2週間だけ行なったところ、点数が200点近く伸びました。このとき、中学や高校で英語の基礎を身につけていたことが、短期間での大幅な成長に繋がったのだと感じました。
高校卒業までに、受験英語・ビジネス英語・実用英語(英会話)をバランス良く勉強した結果、英語で開講される大学の講義では、言語面の苦痛を感じることなく勉強することができました。
Q.英語への興味や理解が深まった時期や、
具体的なシチュエーションはありますか?
A.英語への興味や理解が深まった時期は、中学時代です。前項でも述べましたが、中学入学後に単語や文法に対する理解が一気に深まったことで、感覚で捉えて
いただけの英語が、実用的なものに変わっていきました。それを機に、英語話者とのコミュニケーションや、英語で情報を収集することの面白さを感じ、自ら中学の範囲を超えた英語学習に取り組んでいました。
また、中学2年次に、当時通っていた英語教室主催のスピーチコンテストに出場したことがきっかけで、英語で自己表現することへの興味も増していきました。
Q.英語学習ののち、多言語(韓国語)を学んだことはどうでしたか?
A.韓国語の文法や単語に関しては、日本語との類似点が多いため、英語よりも易しく感じられました。しかし、ハングルという独特の文字や、細かい
発音規則、韓国語固有の表現・イディオムに関しては、英語よりもかなり
難しく感じられました。
この難しさは、英語学習でも取り組んだ、文字練習の反復、シャドーイング(音読)の反復、YouTubeや映画の鑑賞などで克服し、徐々に慣れていきました。第二外国語を学ぶ際は、英語の学習経験が大いに役立つことがわかりました。
Q.社会人となり、身につけた言語をどう活用していきたいですか?
A.私は作曲家・編曲家として、海外のソングライターさんと共同作業したり、作った音楽を海外のクライアントさんに売ったりする仕事をしています。この仕事では、英語でのコミュニケーションが必須です。しかし、私自身を含め、ライターやクライアントによっては、英語力に差があり、時には誤解が生じることもあります。それを防ぐためには、第二・第三外国語能力を極めて、実際のコミュニケーションで活用していくことが重要だと考えています。
また、多言語を扱えることは、単純に相手からの好印象にもつながります。実際の共同作業において、韓国のライターさんとは英語で会話しながら作曲しつつ、作業終了後は感謝のDMを韓国語で送ることで、相手が
自身に持つ印象を良くしようと心がけたこともあります。
Q.多言語を学ぶことを、これから成長していく人たちにもすすめたいですか?
多言語を学んで使うことで、情報を得る速度と、得られる情報の正確度が向上したとともに、より偏りの少ない情報が得られるようになったように思います。
確かな情報を得た上で行動したい人、視野を広げて物事を考えたい人、
より多くの人々と円滑に意思疎通したい人など、自身の成長を望む人々
に多言語学習をすすめしたいです。