自分の「学び」を整理する④
やがて、人間らしい
生活を取り戻すために
会社員生活に終止符を
打った。だからと
いって家でじっとして
いられる性分ではな
かったため、時間が
できた分誰かの役に
立てたらと、都内の
小児病棟で絵本の
読み聞かせボランティア
を開始した。
ボランティアリーダーの
Kさんは大学の司書を
されていて、紙芝居の
読み聞かせのエキスパート
だった。彼が読み始めると、
子どもたちはその世界に
ぐいぐいと引き込まれて
前のめりになった。
お見事だった。
Kさんは、日本の院内図書室
や院内学級の環境改善に力
を注がれており、自主的に
スウェーデンに視察に
行って学ばれていた。
スウェーデンの、
まるでカフェのような
院内図書スペースや、
カラフルな小児病棟の
写真を私たちに見せ、
「ただ、子ども
たちの役に立ちたい」
と語っていた。
(20年前に比べ、
現在は日本でもホスピタル
アートが浸透している)
私は絵本を読みながら、
「やはり、子どもに関わる
仕事がしたいな。自分が
持っている力を生かすと
したらそれは何だろうか?」
と思うようになった。
子ども。絵本。英語。
しばらくして、
ポリシーが共感できた
英語教室の講師の仕事に
応募し、面接を受け、
研修を受け、晴れて
講師となった。
病院でのボランティアは、
第一子の息子の出産
数ヵ月前まで続けた。
こうして振り返ってみると、
人生が動こうとするときに
必ずキーパーソンとなる人
との出会いがある。
向かいたい「学び」への、
旅先案内人と言うべきか。
新たな形の学び、
「教えることで自分も
学ぶ」旅がスタートした。
最高に楽しく、
正解がひとつもなく、
実に奥深い旅だった。
続く