成人のときを振り返ってみる
今月、息子の成人式がある。
ついでに自分の成人のときを
振り返ってみた。
私は自治体主催の成人式
には出席しなかったが、
母のブルーの振り袖を着て
写真だけ撮った。
大人になった実感は
あまりなかったけれど、
身近な大人や親戚が、
私が「成人したこと」
を手放しに喜んでくれて
いた姿は今でもなんとなく
憶えている。
二十歳の夏と言えば、
インドを旅していた。
小学生の頃から、
どうしても行きたかった場所だ。
「インドで人生観変える」
「自分探しの旅」
のために行ったのではなく、
純粋に世界遺産の
タージ・マハルをこの目で
見たかったからだ。
この手で触り、その場の
匂いを嗅ぎたかった。
灼熱の中、美しい白亜の
タージ・マハルの一角に
腰かけ、見たかった光景の
中に自分がいることに
恍惚としながら、
行き交う人々を眺めて
こう思った。
「自分の外の世界が広がると、
自分の中の世界も広がっていく
気がする。過去にも未来にも
広がり続ける。
その世界を広げていくか
どうかは、どこまでも
自分次第だな・・」
と、ちょっと悟った。
(当時の旅日記に、
そう書いてあった。)
2回目の成人式も
とっくに過ぎ、
ついに我が子が成人する。
彼の世界は、
外に向かって
中に向かって
あちこちに
広がりつつあり、
自分にしか描けない
風景の中を生きている。
なんと喜ばしいことか!
成人を迎えるすべての方に、
ただただ送りたい、エールを。