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アラサカが好きすぎる

(この記事にはゲーム「サイバーパンク2077」のネタバレがそれとなく含まれます。元ネタを知っていると著者の狂いっぷりがより理解できて読む楽しみがふえると思います。)
※全部勢いの良い”ネタ”だからね!冗談の通じる方のみご覧くださいませ。

スオウはサイバーパンク2077が大好きです。どのくらい好きかと言うと、とあるエンディングでの主人公の挙動に非常に口惜しいものを感じるので苦手な考察能を振り絞って二次創作で空想に空想を盛り上げたカップリング要素無しの長編グラフィックノベルを描き始めるくらいには好きです。
グラフィックノベルってご存じでしょうか。いわゆる「フルカラーの漫画(西洋風)」だと思ってもらえたら大丈夫と思う。描くのめちゃくちゃ大変なんだぞ!具体的には17ページある章を完成させるのにぴったり2か月かかる。
でも描かずにはいられない、そのくらい好きなのです。二次創作グラフィックノベルについてはまたおいおい。


「まずはサイバーパンクの復習でも」


サイバーパンク2077、いやそもそもサイバーパンクというジャンルについて簡単に復習しておく。サイバーパンクも2077ももう知ってるぜ~と言う方は薄目で読み飛ばしてね。

サイバーとは機器類による身体改造(サイバネティクス)を指していて、要はちょっとだけ近未来の世界ということで、なぜパンクとついているかというと、ジャンルのお決まりとして「権力による支配に対する反抗」がテーマだからである。語源のパンクロックは、権力への反抗みたいな歌をよく歌う音楽のジャンルだ。権力は今だと政治なり企業なりその他諸々考えられるけど、サイバーパンクのジャンルだと圧倒的に企業の立ち位置が大きい。企業国家のような体裁の、見事な軍事力を持った企業であることが多い。

サイバーパンク2077におけるその敵対存在としての企業の立ち位置にあるのが、「アラサカ社」である。漢字で書くと「荒坂」…つまりは日本企業だ。

アラサカロゴ。この三つ葉のような模様はゲームでは「クローバー」と言及されたりする。


日本企業が悪の首領である、というのも実はサイバーパンクではお決まりの展開。これは、サイバーパンクというジャンルが誕生した1960ー80年代の社会情勢が関係している。70-80年代と言えば日本は高度成長期。その勢いを見たアメリカの人々なんかが、日本の巨大企業がいずれアメリカ経済を支配するんじゃないだろうか?という今では夢でしかない妄想というのか危機感を抱いたことと関係している。

話は戻る。アラサカ。実際にアラサカはアメリカを支配…までは行ってないけど2077の舞台であるナイトシティ

カリフォルニアの海岸沿いに位置する。地図で、「モロベイ」という地域の周辺とされる

は実質的に支配している。経済的には世界中に大きな影響を与えている。
簡単に言えば暗黒メガコーポである。

「アラサカは何をしている企業なのか」


アラサカの主たるビジネスは、
企業セキュリティ:依頼主の元に1~1000人規模の精鋭兵士を派遣したりセキュリティシステム機器の供与をしたりする
治安維持:一部地域で実際に民間警察組織のようなものを運用している
銀行業:あまりゲームでは触れられていないが、アラサカはこのビジネスの成功で巨額の資金を手に入れている
武器製造:ゲーム内で実際に使用できる製品には自動照準のスマート銃、各種カタナ(刀!!!)、浪漫武器の筆頭マンティスブレードなどがある
一般製造業:航空機、電子機器、医薬品、子供のおもちゃ(子供の、があるということは…?)、その他雑多なもの
というような感じである。ここだけ見るとまあまっとうにでかいビジネスしてるじゃないと見える。

暗黒の暗黒たるはどこに?


これが、実はあまり自分はピンと来ていない。いわゆる汚れ仕事はあの世界では大体どの企業もやってる。ミリテク、バイオテクニカあたりはアラサカと比べても遜色ないくらいよく働いてる。むしろゲーム内クエストでその一片を垣間見ることができるバイオテクニカが絡む人体実験みたいなのは、正直なところアラサカの汚れ仕事と比にならないくらい倫理的にあれな気がするが気のせいだろうか。

ここは自分の文化的限界を感じる。
西洋人の、「自由」に対する感覚がどうにもわからない。
なぜキアヌジョニーがあれほどまでにアラサカに憎悪を向けたのか、情けないことに一片も理解できない。まあオルトの件をひたすら根に持っていたのだろうとは思う。でもそれはどちらかというと大義の皮を被った個人的な私怨に近いものではないのか。
これはサイパンファンに全方位からスリケンを投擲されそうでなかなか言えないんだけど、自分はアラサカバイアスもあるせいでジョニーに全く感情移入ができない。

だってあの人、アラサカどころかナイトシティの罪なき10000人以上を私怨でニュークリアブラストしたトンデモテロリストじゃないか!
(このあたりは原作のTRPG版だと核爆の裏方では実はミリテク陣営が働いていて表のガワがジョニー、みたいなゲームとは異なる説明がされているのであまり深掘りはしない)

落ち着け。ジョニーの話がしたいんじゃなくてアラサカの話がしたいんや。

ひとまずアラサカの悪たる所以はバイアスいろめがねのかかり過ぎた自分にはとても中立で語ることができないので保留とする。

「アラサカの何がいいんだ」


そりゃもう、その「日本観」である。別にナショナリズムの話ではなく、主にデザインと人物像に反映されたそれである。
以下、論理的整合性や倫理的な問題や資料典拠とかそういうのを一切度外視したただ「アラサカが好きだ!」という個人的な感情について書きなぐっていきます。

デザイン


アラサカのデザインはとにかくカッコいい。黒、赤、白を基調とするカラーリングで、それら建築・服装・等はゲーム内では「ネオミリタリズム」と呼ばれるデザインとして主に企業人(ゲームでは「コーポ」と呼ばれる人々)の間に影響を与えている。以下に建築などのデザインの例。

アラサカウォーターフロント:物流倉庫らしい。
悔しいことにゲームでは一切中に入らせてもらえない。
仕方ないので、恋のアラサ河(海だけど)をはるばる泳いで裏口にコンテナが積んであるところを探検させてもらっている。序盤から訪問可能というのも相まって、多分スオウはゲーム中で一番このロケーションを訪れている。仕方ないだろ!Vの初期居室があるH10メガビルディングを出たら強化腱付きの脚が勝手に北部港湾地区に走っていきやがるんだ!
紺碧プラザ:アラサカが保有するホテルチェーン。
ナイトシティだけでなく、東京、パリやシドニーといった世界の主要都市にあるらしい。
コーポ主人公は東京のおもてなしは格別と絶賛している。
すごく落ち着いたいかにも「ありそう」な内装のところを黄金バットな受付嬢がしっかりフィクションに引き戻してくれる。序盤の重要クエストでここで大暴れできる
アラサカタワー。下から
アラサカタワー、ロビー
アラサカタワー:ナイトシティ中心部に聳え立つ、アラサカ社アメリカ支部の本社ビル。
景気よく吹っ飛ぶ姿がナイトシティ名物とされている。
2077年時点でのビルは140階建てで高さ620m。スカイツリーが634mなので、スカイツリーを目視できる生活圏の方はあのくらいかと実感してみてほしい
ちょくちょくアラサカ建築で見かけるグローイング盆栽。
見栄えが地味なものは光らせると大体良くなるとはいうものの、ここまで良くなるのもすごい


男性コーポVの初期衣装であるアラサカのスーツ。
この色合いはなんかもう、完全にカタギを浜に棄てたそれである

いやカッコいいだろこんなの!!!何を食べたらこんな発想ができるんだ、赤白は日本の国旗から来ていると言及があるけどそこにメインカラーとして黒を加えたらこんなに引き締まったスタイルが生まれるとは。サイバーパンクというといわゆる夜のネオン街のようなギラギラ蛍光色を思い浮かべがちなだけに、こんな引き締まったデザインを投げ込まれて惚れずにはいられなかった。

家紋


家紋、だと思う。実際にはこんな家紋は存在しない。家紋を掲げる世界的日本企業…三菱、JAL、島津、その辺りに倣っているんじゃないかと考えている。アラサカ家の伝記の紹介でこの紋がクローバーと言及されるので荒坂家の家紋で断言していいと思う。丸と線でしかできていないなんともシンプルな図形なのに、ナイトシティの各所で黒地に白でこの紋所が浮き上がるその異物感というのか威圧感と言うのか、そういうものを感じずにはいられない。

社員


ライフパス問わずメインクエストで関わるアラサカ関係者は、アラサカ家の首領たるサブロウ・アラサカとその護衛のゴロウ・タケムラ、サブロウの息子ヨリノブ・アラサカ、その護衛は嫌いなので飛ばして(マダムごめん、あっアダムか)サブロウの娘ハナコ・アラサカと護衛のサンダユウ・オダ…といった主に(ちょっとへんな名前の)日本人キャラが中心になる。

とりわけ護衛の人物像がもうたまらないくらい好きなのである。(マダムはノーカン
まずはタケムラから。

ゴロウ・タケムラ

タケムラさん。

一言で言うとThe 侍。忠義に生きる古風な日本男児だ。サイパンを実写化するとしたらタケムラは真田広之にやってもらいたい。主君を喪って自身も実質クビにされて尚、主君と社の名誉のために身体を張る姿がなんとも清々しい。
今ちなみに侍と言ったが、実質的な本作品のメインヒロイン枠である(個人の感想です)。
まず初対面からすごい。死にかけの主人公に裏拳を喰らわせてからの愛の逃避行に連れ出す。名前も知らないのにいきなりドライブデート(銃撃戦もあるよ!)である。
二回目会うときは流石に落ち着いてくれたかと思いきや二回目も喫茶店デートである。なんだこのオッサン。
その他、やたらムーデイーなBGMの流れるドライブをはじめとして選択肢次第ではメインクエスト中に何度もデートができる。ちょくちょくナイトシティの食を罵倒する場面に出くわすので、相当なグルメである可能性が高い。というか常にうまいものを求めている描写がされている。スラムからアラサカに拾われてまず社食に感動して、サブロウの護衛まで成り上がってその付き添いで色々回ってすっかり舌が肥えてしまったのではないかと推測する。
タケムラとの「ロマンス」は残念ながら実装されていない。だが、自撮り写真を送りつけてきたりファックユーで罵ってくれた後に丁寧に謝ってきたりネチコヤンの絵文字を送ってきたり、ロマンス対象もびっくりな濃度でVと関わってくれるので個人的には満足していたりする。

ちなみに、とあるエンディングでのみタケムラが最後に完全に尊厳を取り戻す。
メインクエスト中のかわいい描写に眩みがちだけど、この人は最初と最後に畏怖の感情を呼び起こす人物として現れる。そのどちらもタケムラの姿なのだと思うと、非常にいい人物造形をされているなと感嘆せずにはいられない。

そしてオダ。

サンダユウ・オダ

オダ。すごく良い体格をしているが、男性Vと並んでみると意外と身長は大きくないらしい

サンダユウ、漢字で書くと三太夫。フィクション忍者の百道三太夫、または華族の執事の役職名たる「三太夫」が由来ではないかと考えられる。姓については中国語ローカライズの「小田」表記が一般となっているが、これについてはゲーム内のとある美術描写と公式アートブックの表記に基づいてスオウには強烈な異論があるのでおいおい話したい。

オダはサイパンでスオウが一番好きなキャラです。
そのキャラはどんな描写がされているか?されているか…されて…あれ…

本編では殆ど出番がありません!

omg、なんてこった。
出番が全くなくはない。なんならやたら強い中ボスとしてVと刃を交える。その印象は残る。デジタルで近接の赤と遠距離の青を切り替えるオニのメンポはカッコいい。赤いマンティスブレードもすごくカッコいい。
喰らうと難易度次第では一撃で昇天可能な見事な太刀筋である。
でも素顔が印象にのこらない。スオウが彼の素顔をベタ褒めするのは最初からバイアスが入った状態で注目しているからだ。
素顔が見られる場面は全部暗い(アプデ2.2でフォトモードにライトが実装されて幾分かましに見られるようにはなったが)。
ニンジャだからか。日焼けが嫌なのかもしれない。

真面目に話そう。
オダは本編では、タケムラの弟子として鍛え上げられたサイバー忍者であり、ハナコ・アラサカの忠実な護衛…というように説明される。

サイバーニンジャという字面からもう興奮が隠せない。

サイバーでニンジャなんだぞ!属性盛りすぎで実際ズルい

いいから落ち着け。
彼との初対面は、タケムラの画策した密会となる。
タケムラとVが、自身に協力を求めるために人目につかない埠頭にオダを呼び出す。オダは車で現れる。この時、日本語訳だとわからないが英語版だと「光学迷彩なしで現れたのは良い兆候だ(意訳)」というようなタケムラの台詞が聞ける。
普段は光学迷彩を起動して現れる、という含意なのだろうか。
ニンジャだからか。シャイなのかもしれない。
ハナコに付き添いのパーティー会場などで人酔いを起こして光学迷彩で姿を眩ませてこっそり逃げていたりしないか心配である。

さて。
なによりもまず、初対面で明らかになる彼のビジュアルがすごい。
片側に刈り上げの入った髪型、脱色した眉、虹彩に至ってはほぼ白に近い水色である。
光の当たり具合次第では水晶のような目に見える。べらぼうに綺麗である。

なんかすごい目をしている。

まつ毛も長いし心なしかアイホールにシャドウが乗っているような気がするのだが気のせいだろうか。地の色であんな赤味が出るのだろうか。
とにかく美意識という概念を3Dにしたような男である。
ニンジャだからか。ハナコの趣味かもしれない。

睨むと鼻のところに皺が寄る。口がちょっとむにゅっとなるところがなんとも良い

スオウはまずオダの人柄より何より先に彼のビジュアルに撃ち抜かれて心臓を一個失った。どこか人形のような、人工物のような雰囲気もある奇妙な面構えである。血色はお世辞にも良いとは言えず、やや気味悪さもある。しかしだからこそその美しさが引き立つというのか。なんかもう目が離せない。気づいたら自分で描くようになっていた。もう後戻りはできないし、する必要もなくなっていた。
今だから言えるがスオウはオダに会うためにサイバーパンク2077を購入した。長年大手タイトルに関心を示さない姿勢を貫いていたのに、いとも簡単に転がされたわけである。

オダは密会で、最初こそVの話にしぶしぶ耳を傾けようとするもののヨリノブの話が出た瞬間に警告を発する。それ以上言うな、と。
これはなぜかというと、その次のオダの台詞に明示されている。
私の関心はハナコ様をお護りすることのみ、というようなことを言う。
つまりこの人にはハナコ・アラサカしか見えていないのである。
ヨリノブとハナコは兄妹であり仲もそこまで険悪ではなかったという言及はされる。なんせガチギレして家を出てアラサカに歯向かって珍走したヨリノブを家に連れ戻すために父サブロウを説得したのはハナコ本人なのである。
(この経緯についてはスオウは独自の解釈を持っていて、もちろん解釈でしかなく公式の描写ではないため二次創作の設定として回収している。こちらもいずれ機会があれば)
とにかく兄妹として表面的に見る分には悪くないが社内での派閥はがっつり対抗しあっている。本人間はともかくとして、派閥が仲良くすることを許してくれない。そのため、この場面ではオダはヨリノブ(厳密にはヨリノブのタカ派)を敵に回してハナコを危険に晒したくない、と暗に示しているのである。
それだけで終わってさっさと帰ればいいのに…
なんとオダ、うっかりハナコのスケジュールを口外してしまう。とある式典に出席した後に東京に帰る(そして暗には自分が式典でハナコの傍につくとも)とおもらししてしまうのである。この描写が、タケムラの煽りにまんまと乗せられてドヤ顔でイキりつつ秘密を漏らしている体があって非常に微笑ましい。その式典を、ハナコに接触するためにタケムラご一行に利用されてしまうという展開に繋がっていく。
かわいい。
そして、コーポVだとおまけまでついている。後の選択肢次第で、ハナコにヨリノブのことを話したがらないオダにVがお説教をし始めるのである。私もタケムラも最初からこんな惨めな風体ではなかった。なんならあんたも底辺を味わってみれば?そうVは返す。オダはというと…
黙って帰ってしまう。
これがレスバに負けて無言で尻尾を巻いてしまう煽り屋に見えてまあかわいい。
オダを心配そうに見送るタケムラ曰く、オダは失敗を何よりも恐れる完璧主義の人間とのこと。
忠犬だよこんなの。
ちなみに実際にVに犬に例えられて言及される場面もある。

どちらかというと躾のなっていないわんこのような言われっぷりである

もっとも、ボス戦では狂犬の如き立ち回りを見せてくる。Vは密会の姿とボス戦での姿の豹変ぶりに思わずオダを心配したのではないだろうか。実際Vは、タケムラが生きていれば式典のひとしきりを終えた後にタケムラとの電話口でオダの心配をする。オダはどことなく、あふれ出る殺気に目の前が見えなくなってしまう風体が感じられる。そこもかわいらしい。

本編の中のわずかな出番で悉くイキりが空回りしてしまうのが一周まわって愛らしく感じられる、稀有な人物像である。想像だが彼は大変なピュアボーイではないのか。そこまで行かずとも、ハナコしか見えなくなってしまうほどの直情の忠義心を持つのは間違いないだろう。

ちなみに、タケムラ共々オダを生かしておくとタケムラが尊厳を取り戻す例のルートではVと共闘してくれる。そこで見られる冷静さと雄々しさを兼ね備えた姿こそがオダの本来の姿ではないかと想像してやまない。場面としては長くないが、ぶっちゃけボス戦のときよりもカッコいい。あんな護衛に護られているハナコを嫉妬したくなる。
それはそうと、ハナコの前でだけ尻尾を振るオダの姿を何とかして見られたらよかった。もちろんそんなものは見られない。…ので自分で想像して描くしかないのである。

タケムラ、オダ共にすごく真っすぐな人物像として描写されているところが本当に良い(オダはちょっと真っすぐすぎるかもしれないが)。
選択次第で彼らの命運も変わってしまうのもあるし、見方にもよるし異論も山のようにあるだろうが、少なくともスオウにはこの二人の描き方は忠義を貫く人間を肯定的に捉える描写と思われた。


まとめ

デザインから始まり護衛達の人物像造形まで、スオウが感じるアラサカの魅力をさらっと書きなぐってみた。
アラサカの描写は、正確を期した日本像というよりは所謂「ストレンジジャパン(海外視点のどうにも奇妙な日本像)」の範疇である。しかし、その奇妙さがどこか他作品の日本描写とは一線を画すものがある。奇妙なのに、現実の日本文化とどこか地続きのような趣もある。実在する(した)要素を丁寧に拾い上げた上で空想のデザインを構築していると私は感じる。
ゲーム内でのアラサカの立ち位置は一貫して敵側組織である。いくら魅力的なキャラが出てこようがそれは崩れない。倫理的に善の存在では決してない。しかし、同時に目を引き付けられる魅力を備えた不思議な敵側組織である。そもそもサイパン世界の人物や組織といったものは一本の線引きで善悪に分けられるというよりも見る者の立場や視点次第で見え方が変わってくる、そんな重層性を備えたものであると私は考えている。
そんなアラサカの魅力に、スオウはすっかり虜になってしまった。

最後に宣伝だけども…

アラサカ好きによるアラサカ好きのための(?)グラフィックノベル「荒坂家の黒狗」は現在第2章までpixivにて公開中です。現在執筆中の第3章までは無料でpixiv上での公開としようと考えています。

2025年5/10(土)~11(日)の二日間にわたってpictSQUAREにてオンライン開催されるイベント、「洋ゲーフェス2025」ではその次の第4章までを収録した上巻を頒布予定です。ご興味ありましたら、ぜひフェスに遊びに来てね!
一般参加者は参加料無料で、覗くだけなら用意するものはネットに繋がったスマホまたはPCのみで大丈夫です。サイパンだけでなく大手タイトルからニッチなタイトルまで多種多様なタイトルの洋ゲーで展示や販売が行われるので、洋ゲー好きならお祭り気分で覗いてみても楽しいと思います!

ちなみにスオウは今年版のバナー集合絵にタケムラのイラストを寄稿しています。どのような集合絵になるか、他の参加者さんの作品も合わせて今から非常に楽しみです!

長文ご覧下さりお疲れ様でした。
アラサカについては、まだ言い足りないことが残っているのでまた機会をみてちびちびと書いていけたらと思います。
それでは、また。

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