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「長崎の郵便配達」

川瀬美香監督、ドキュメンタリー映画「長崎の郵便配達」を観た。

元イギリスの海軍のパイロットてあり、映画「ローマの休日」のモチーフにもなったと言われるピーター・タウンゼント氏が、長崎に原爆が落とされた当時16歳だった郵便配達員、谷口スミテルさんとの出会いを通じて生まれた物語。

それをピーター氏の娘であるイザベルさんが
父が書いた「The postman of Nagasaki(長崎の郵便配達)」や取材当時、カセットテープに吹き込まれた父の音源を通じて、スミテルさんの生き様や原爆や核戦争の悲惨さ、戦争から子供たちを守りたいという強い思いをドキュメンタリーとして描いた作品です。

戦後77年、当時を知る人が少なくなっている。だからこそ、伝え続けていかなくてはならないのではないか。

東京に住む私には、東京大空襲の時のことを知る方も減って来ている現実を目の当たりにし、動画などを活用して記録を残す必要性を感じている。

この映画の中で、谷口スミテルさんが子供が小さな頃に海水浴に行った時の話がある。原爆で焼き爛れてひきつった体で海に向かう父を怖がる子供たちに話した言葉。

この傷は自分でつけた傷跡ではないのだから恥ずかしくはない。この傷跡を見てもらうことで二度と同じようなことが起きてはいけない、起こしてはいけないと皆んなに気づいてほしい。そのことを伝え続けることが自分の使命であるのようなくだりがあった。

この人はなんて強い人だろう。
自分が同じ立場になった時、こんな風に考えられるだろうか。
でも常に前に向いていたからこそ、結婚し子供も産まれ、人生を全うし、ようやく安らかな眠りにつけたのだろう。

彼は被曝した時に生きたいと強く願ったそうです。周りには亡くなっていく人ばかりの中で強く強く願って、そして2017年に亡くなるまで、
No more Nagasaki
No more war
と訴え続けた。

ぜひご鑑賞いただきたい作品です。

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