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夢をつかむ! 034_20241007

ミシンがほしいって言ったのに・・・

私は日々のnoteに過去の同日の記事を掲載して振り返りを行っている。
そうでもしないと過去の記事に触れる機会もないし、自分の振り返りと新しい方への紹介も含めて、今年からそのようにすることにした。

振り返ると「あれ書きたいです」なんて適当に書いちゃって、その後書いてなかった、なんてことがざらにある。反省。

昨年「ミシンの話を書く」と言っておきながらまだ書いていなかった。おそらくその時はそんな気分ではなかったのだろう。
最近、あんまり家族の楽しいネタを書いていなかったので、ちょっと気分転換に書いてみようかと思う。


私は「ミシン」は「嫁入り道具」みたいに思っていた。50歳の私の価値観だ。
結婚するときに「ミシン」が欲しいと思った。
まぁ、思ったほどは使えていないのだけれど、それでも私は裁縫が好きな方なので、それなりに活躍してくれている。

結婚するときに、うちの母が「何かほしいものはあるか」と聞いてきた。「ほしいものがあればそれを買ってやるから遠慮なく言ってくれ」と。

私は母が買い物好きで、しかも人に何かをプレゼントすることが好きで、しかも金勘定よりも感情を優先してしまい、散財するタイプてあることを知っていた。
だから「とにかく皿類は絶対に買ってくれるな。結婚して(生活を始めて)から少しずつ買い足していくようなものは要らない。消耗品は記念に残らないから、できれば一生使えるミシンを買ってほしい」とお願いした。

皆さんはミシンの相場をご存じだろうか。結構高い。
私が欲しかったミシンは当時10万円以上した。
だからあまりにも高価なものをねだったと思い、「気持ちほどでいい。あとは自分で足して買うからミシン代として現金をくれ」といった。
なんて現実的な娘だと呆れられそうだが、私は母に余計なお金を使わせたくなかったため、全部のものを寄せ集めて現金にしてほしいとお願いしたのだ。

ところが・・・

結局、母は自分の買い物欲を抑えることはできなかった。
外出しては「うぉんのすけに買ってやりたい」とあれやこれや細かいものを買い集め始めた。陶器のコーヒーカップだったり、化粧ケース、寝間着、エプロンなどなど。
ずばり思い描いていた心配がそのまま現実になった。

長女の方に聞いてみたい。私の場合はこうやって母の好きなもの(好み)を多く買い与えられてしまったため、自分のセンスを磨くタイミングを逃してしまった。選んで買うプロセスがないからだ。特に服。妹は結構自分のスタイルを持っているが、私は自分の好みでないものをもらって着ざるをえなくて、自分のスタイルが確立しなかった・・・

長女はね、優しいから母親に合わせてしまうところがあるような気がする。

遠くに嫁ぐ娘に何かしてやりたいという母親の気持ちは分かる。
だから文句を言うわけにもいかない。
感謝をする。感謝をすればするほど、また買いたくなる。
あーどうしたらいいのだ・・・

そこで私は母に「あのーミシンをまだ買ってもらっていないのだが」と催促してみた。
あの高価なミシンを買えば、そろそろお財布も危うくなり、買い物もしなくなるだろうと踏んだのだ。

母は「うんうん、わかっとる。今、いいのを検討してるから、待っときなさい」と言った。
これ以上は何も言えなくなった。
本当は、できればミシンを一緒に選びたいのだが。

そして結局、ミシンは私の手元にないまま嫁ぐことになった。

ミシン・・・

2人暮らしで絶対に使いそうにないものばかりに囲まれて、ただただ物がある。
すごいスタートを切ってしまった。
結婚式の祝いで買ってもらったものとなると安易に捨てられない。
全く統一性のない台所用品、食器、カトラリー。
あー全然理想じゃない!!

程なくして、またタイミングがやってきた。
「あのー、ミシンは・・・」
「送ったけん、そのうち届くと思うよ。通販でいいのがあったけん」
と得意げな母。

通販?
通販とな?
聞き間違いではないな?

私は確かめたかった。
「うん?通販?」
「テレビでやっとった。ちょうどミシンが紹介されとったけん、いいなーと思って」
「ごめんごめん。お願いしとって申し訳ないけれど、値段って聞いてもいい?」
「あー、安かったんだわ、今回!!1万円!!」

・・・・・・

だいたい予想はついた。
そのミシンのスペックが。
私が欲しかったのとは全然違うやつだ。

「そっかー、わかったーありがとう」

もうこれ以上ミシンの話をするのはよそうと思った。

後日届いたのは、かわいいキャラクターのついたオモチャのようなミシンだった。
一応使ってみたが、すぐに壊れた。

結局、私はちゃんとしたミシンの専門店に足を運び、10万円を自腹で出して、一生使えるミシンを購入した。

おかあちゃん、私はいまだにこの時のことを覚えとるで。
人にものをあげるときはな、本人が「ほしい」と言ったものを買ってあげるのが正解なんよ。

75歳になった母からはもう物が届くことはほぼない。
結婚したての頃は、毎月のようにいろんなものが送られてきていた。
それを愛情と言えば、愛情だ。
私はそれをちゃんと受け止めるから文句も言えなかった。
しかし、要らないものがいっぱいあり、なくなく捨てたものも数知れない。

お金の遣い方って本当に難しい。
愛情は金では買えない。
だが金に変わる愛情はあるかもしれない(笑)


<1年前の”種まき日記”>
私は3歩あるけば忘れてしまう。ニワトリみたいだと夫が言う。
昨日も浴槽に湯をはるために風呂場に行ったのに、別のことをして部屋に戻った。夫に「結局風呂は入れたの?」と言われてあーーー。30秒の出来事。
10歩もあるかないうちに忘れてしまう。情けない。

白内障はまだ進行していないから手術までは必要ないようだ。よかった。

<2年前の”つれづれ日記”> 
朝からミサイル飛んできたねー
夫とふたりで布団かぶって落ちるを待った
死ぬかと思ったねー
一緒に死を覚悟すると夫婦になれる気がする


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