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ほのぼの生きる  082_20230404

ルール無視?

私が2月からハマっている「ボルダリング」
春休みで最近の顔ぶれが変わってきた。
特にアメリカ人のファミリーが目立つ。

面白いのは、スタートダッシュが違うところ。

私がボルダリングに挑戦してみようと思った日、
「ボルダリングのボの字も知りません。全くの初心者です」
と宣言をし、そこにいるトレーナーさんに初歩から教わった。

「シューズはレンタルもできます」
とホームページに書いてあったが、
「あーシューズは持ってきました。普段ジムに行くので」
と完全に勘違い野郎の発言をし、すぐに却下されてしまった。

ボルダリング専用のシューズがあるということさえ知らなかった。
履いてみるとめっちゃ痛い。小さければ小さい方がいいらしい。
私は3か月目にしてまだシューズを買っていない。
いつまで続けられるか当時は未確定だったし、とにかく足が痛くていまだに慣れていないので、1万円以上もする高級なシューズを感情で買うのだけはやめようと思い、いまだにレンタルをしている。
一回200円×50回で10000円。今後50回続けられるか・・・まだしばらく様子をみよう。

その後は、簡単なルールを教えてもらい、すぐに実践に入った。
まずはアルファベットA~Zの初歩コースをやってみましょう。
A~Fぐらいまでは初日でやれたが、そこからはなかなか。
2か月(20回以上)やってもまだ初歩コースが終わらない。
先週4日通ってやっとUとVを克服した。
W,X,Y,Zがまだできぬ。4月でクリアなるか。

とまぁ、こんな感じで、通常初めてトライする人は同じような説明を聞き、次からは自分のペースで頑張る。
ここ2か月で私の後から入った新人さんたちは数人いたが、大概、トライアルで一回やってみたかったという人たちばかり。トライアルの人たちは、だいたい私が初日に行ったような感じで楽しんで帰っていく。私のように毎日通う人はめずらしい。キッズクラスの子どもたちは、大会を目指して黙々と練習をしている。トレーニングレッスンも決まった時間に行われているようである。無職の私は夕方前に行くので一般の大人の常連に会うことはなかなかない。

さて、アメリカ人のファミリーを見てみよう。
トレーナーさんが最初にルールを説明する。英語で。私が聞いても分かる英語だから、必要最低限のルールは伝わっているのではないかと思う。
基本的にルールを教わり、最初に何度かトライするのを見て、問題ないと思えば、その後は放置(自由)だ。

驚いた。

彼らはルールを無視だ。
Aが一番簡単なコースで、それを登ってみせてOKをもらった後、普通はB、C・・・と進めていくのだが、彼らはそうはいかない。
もはやアルファベットのコースも無視だ。
最初、あれ?いきなりEコース行った!!と思いきや、Eコースでも何でもないやんっ!ただの壁登りやんっ!

そう、彼らは教わったルールは完全に無視して、登れるところを掴み、足をかけ、ただただ登っていく。
そして「いえぇーーいっ!」と自慢げに雄たけびをあげる。

なんだかとても楽しそうだ。

難しい、とか、そんなの関係ない。

登れる喜びをただ味わっている。

もし自分の子が一緒に行っていて、初回、最低限のルールを教わった後に自由となったら、私は親として「はい、次はBね、次はC」というのではないか。さらに「そうじゃないわよ、そこじゃない」とルールを最優先させちゃって、ルールどおりに登れるように指導してしまうのではないか、と思う。

たまたまアメリカ人(外国の人)だったのかもしれないが、親は子の自由奔放さを注意しない。ルールを教え込もうともしない。ただ登って楽しい子どもを見守っているだけだ。

ボルダリングは思ったより怖い。恐怖に負けたら先に進まない。楽しいの前に怖いが来てしまうと長続きしないかもしれない。そしてそう簡単には登れない。初日から「登れない、難しい」と思うよりは「とりあえず楽しいな」と思った方がいいのかもしれない。

なんか・・・勉強になった。

今日は、中学2年生の男子くんに声をかけられた。初めて見る顔だ。
「ガンバです!」
(部活かよっ!)
「ありがとう!Xのコースがなかなか克服できなくてね。」
そこから30分ほど手取足取り教えてくれた。
初めて、ボルダリングで友だちができた。なんか楽しいぞ。
結局、今日はXのコースを克服できなかったが、誰かと一緒にするボルダリングもまた楽し。
彼は「ぼく、ここには友だちがいないから」と言って、私と楽しそうに話してくれていた。
お互いがお互いの初めての友だちであった。
今日は間違いなく10歳は若返ったな。

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