ハッピー・デス・デイ
Amazonプライムでこないだ観ました「ハッピー・デス・デイ」の感想を書いていきたいと思います。これ「ゾンビーワールドへようこそ」という最高な映画を撮ったクリストファー・ランドンさんが監督なのでかなり期待して観ました。
お話はツリーという名前の女子大生が誕生日に殺人鬼に殺されたことにより、何度も同じ日を繰り返し、いかにして死を回避できるかというまあタイムループものですね。観ていてちょっとビックリしたのがこのツリーという主人公が、え? 今字幕見間違えた? と最初思ってしまったくらい言動がヤバイというか、非常にクズな性格をしているのです。こんな主人公で大丈夫か? と思ったらそれが意味を持ってくるのでかなり感心しました。
普通に誕生日にパーティーに行ったらそこでマスクをつけた殺人鬼に殺されるのですが、そこでまた同じ日の朝に戻り、この手の話の定番通りいろいろ違ったことをやってみるのですが、やっぱり殺されるのです。で何故ループするのか理由がないのはまあいいのです。あったらあったでいいのですが、どのみち勝手な理屈を説明するだけでしょうから観ている方としては特に重要ではありません。ただ死を回避しようと主人公が違った行動をするのに殺人鬼が何故主人公をロックオンしているかのごとく毎回殺せるのかは理由がいるだろと思ってしまいました。ギャグとして笑うこともできますが、むしろここが気になりましたよ。
まあそんなわけで伏線とかのアイデアや演出もしっかりしていて、なんだかんだ言いつつもよく出来ている映画ではあります。しかし後半の展開はさらに素晴らしいのです。つまりクズ同然だった主人公がこのループを通して人間的に成長して、ちょっと感動的なシーンすら見せてくれるのです。B級ホラーを楽しむつもりで観ていた私は、思っていた以上に「いい映画」だったので嬉しい誤算といったところでした。ただその後の謎解きパートみたいなところはグダグダな感じがしていかにもB級映画に戻ってしまったのはご愛敬といったところでしょうか。
思えば映画が始まった当初はこの主人公は性格の悪いまるでB級ホラーで序盤に殺される脇役みたいな存在だったのですよ。それが何度も死を経験したり、愛を知ったりして本来のヒロインという存在に成長できたからこそ、最後に勝利を得ることができたということなのかな、と思ったりしました。そんなわけで普通に面白いというだけでなく、ちょっと意外な感動も味わえたりして予想外の拾い物という感じでしたね。ネット上でかなり話題になっているのも納得の映画でした。