ハッピー・デス・デイ2U
Amazonプライムでこないだ観ました「ハッピー・デス・デイ2U」の感想を書いていきたいと思います。これ第一作と同様「ゾンビーワールドへようこそ」という最高な映画を撮ったクリストファー・ランドンさんが監督なのでかなり期待して観ました。
お話はツリーといい仲になったカーターのルームメイトのライアンが殺人鬼に殺されてまたループするようになり、その殺人鬼のマスクを剥いだら自分自身だったり、いろいろわけのわからないことが起こって、前作の主人公ツリーも参加していろいろ考えているうちに、どうも同級生の研究しているマシンが原因で時空がどうにかなってループが起こったのだということがわかり、問題を解決するためにその装置を作動させるのですが、それによりツリーが別の時空、パラレルワールドに移動してしまうのでした。そこは似ているようで世界設定がいろいろ変わっていて、つまり前作の殺人犯とは違う殺人犯がいたりもするのです。何度も書きますがなぜどこの世界に行っても殺人ありきなのか、ちょっと疑問に思ったりもします。
始まってすぐに思ったのは、今度はこいつ(ライアン)がタイムループするのかー、なかなか面白そうな展開だな、ということですが、すぐにまたツリーが主人公になります。そしてただループするだけでなく転移した世界では死んだはずの母が生きていて、元の世界に帰るのではなく、ここにずっといればいいのではないか? みたいなことを思ったりもするのです。
正直、いろいろはめを外しすぎていて、何度も自殺するシーンをノリノリの音楽をかけながらダイジェストで見せたりするところは、狙いはわからなくはないんですが調子に乗りすぎだろという感じはしますし、前回いい子になって終わったのに、またやさぐれていったりするシーンをギャグとしてやっていて、元も子もないところが残念だったりします。それでも前作の犯人と別の世界ではいい関係性を築いたり、家族とのシーンで前作よりさらに「いい映画」っぽい感じになっていたりとどうも映画表現としての光と闇がごった煮になりすぎている非常に変な映画になっています。
普通の続編を作ればいいのに……、という感じがしてこのカオス感に戸惑ったものの、危機を回避するアイデアとかは相変わらず天才的なものがあって、そういう意味では面白いのです。また前述の理想の世界ではあるものの自分の本来の世界ではないところに居るべきかという問題は、先日書きました「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では避けて通った問題でもあり、ここにメスを入れたところは意欲的で、なかなかやるなと思いました。
総じて楽しめる映画ではあるんですが、冒頭のシーンが結局何でもない感じで終わったり、きれいにまとまったのに最後でまたヒドイ落ちをつけたりして、どうしても「いい映画では終わりたくない、B級映画としての意地を見せたい」みたいな変なこだわりが見えて、なかなかの怪作と言っていいんじゃないでしょうかね。とにかく最近観た中ではどうカテゴライズしていいか悩む、「おかしな映画」の筆頭と言っていいでしょう。