疾風怒濤の交響曲第39番
交響曲 第39番 ト短調 Hob.I:39 1763年8〜12月、又は1765年5月〜1766年6月、又は1767年7月以降
この交響曲に愛称がついていないのは不思議だ。
真夜中の嵐。冷たい雨に打たれているかのような第1楽章。心と身体に冷たく響く。何度も現れる休止が緊張感を与えて、馴染ませてくれない。安らぎとは無縁である。寒気すら感じてきそうだ。風雨が少し止んだ第2楽章。小雨の中の散歩?真夜中だから徘徊になりそう?水たまりを跳ねているような感じだ。さっきの嵐とは違って、こんな小雨に打たれながら夜道を歩くのも悪くない?すっかり嵐が静まりかえった第3楽章。なんだか不気味なくらい落ち着いた印象を受ける。嵐の前の静けさといったところだろう。まさにその通りなのだが。再び大嵐となる第4楽章。雷も激しく鳴っている。神の怒りの如く激しさはとどまることを知らない。