「国家はなぜ衰退するのか」第10章
繁栄の広がり
<この章のお題>
世界の一部の地域は、いかにしてイギリスとは異なる道筋で繁栄に至ったのか。
<この章の副題、まとめ、気になった箇所>
盗人にも仁義:
18世紀初頭、イギリスからオーストラリアへ流刑開始。受刑者やその監督者が豪州大陸での経済的成功者になった。それは、受刑者にも自由と財産権を認めた結果である。移住者は、スクワッターと呼ばれる牧場主になったが、農奴は不在だった。結果、然るべき賃金を払って受刑者を従業員として雇うことになった。その後、法制度、議会、選挙権が整備されていった。カナダ、ニュージーランドも同様の道を辿った。
壁を打ち破る − フランス革命:
1789年までの300年間、フランスは絶対王政だった。フランス革命後、法の下の平等を謳う憲法が、憲法制定国民議会で提案された。その後、ジャコバン体制下の恐怖時代を経て、包括的制度が出現。工業化が進んだ。
革命の輸出:
1789年当時、フランスでのユダヤ人の生活圏は制限されていたが、移動することができるようになった。その後、ナポレオンは、絶対主義と封建制を終わらせ、法治を進めた。フランス支配下の各地でも工業化が進んだ。
近代を探して:
日本は、明治維新という革命と内戦を経て、工業化の道を進んだ。1600年からの徳川家による封建的支配の下での収奪的制度が終わった。同時期に、お隣で、収奪的制度を存続させた中国とは異なる発展を遂げた。
世界の不平等の根源:
第7章から第10章のまとめが記されている。