ロスレスが聴き取れるか試してみた
Apple Musicがこの秋対応するということで話題になっているロスレス。参考にさせていただいているYouTuber/ブロガーの方がロスレスを聴き取れるのかみたいな話をしていたので試してみました。
128Kbps/320KBps/無圧縮で同じ曲を聴くくらべ
上記サイトですが、全部で6曲のサンプルがあり、それぞれ128Kbpsと300KbpsのMP3データと、無圧縮のWAVデータを聴く較べられるようになっています。それぞれの後にチェックがあり、どれかにチェックを入れると正解を表示してくれます。
320Kbpsはダウンロード販売の音楽サイトで一般的なもので、128Kはデジタル音楽データが出始めの頃によく使われていたものです。
早速試してみましたが、6曲中5曲を正解できました。1曲はアカペラの曲で、流石にこれは違いがよくわかりませんでした。
You got 5 out of 6 correct!
Do you spend a lot of time listening to high-quality audio files? Adding specialized equipment to your system can boost the audio quality, but if there are weak links in the chain (say, if you’ve got a digital-to-analog converter and cheap earbuds), you won’t hear as much. Bonus hint: Scroll back up and listen to the uncompressed WAV files again – even self-proclaimed audiophiles say that it takes time for your ears to adjust to the differences in files.
(意訳)高音質音楽ファイルをよく聴いてるのかな?システムに音響機器を追加すると、オーディオ品質が向上するけど、弱い部分が輪をかけて違いが分かりにくいことがあるよ。たとえば、DACに安いイヤフォンとかね。
おまけのヒント: 戻って圧縮されていないWAV ファイルをもう一度聞いてごらん。自称オーディオファンでさえ、耳がファイルの違いに適応するには時間がかかると言ってるよ。
と偉そうに書いておいて申し訳ないのですが、実は少しからくりがあります。
我が家の通信環境だと、無圧縮データはサイズの関係で明らかにデータ読み込みに時間がかかるので、ああこれだなとわかってしまいます。一応、一通り聴き比べて確かに違うというのは感じていますが、この出だしタイミングの影響を全く受けていないとは言い切れないので、少しイカサマっぽい感じになってしまいました。
まあ、一応、3種のデータの聞き分けは概ねできました。なお、聴き分け環境はMacBook Pro(2021後期)とLooto PAW-S1 USB-DACに、SONYのXBA-H3を4.4ミリバランス接続ケーブルにリケーブルしたものとなります。
QUESTION1
全体の情報量の違いで分かります。バックのリズムのタララッタという部分がどれだけメロディに埋没しているかで3種明確に聞き分けが可能です。初聞では320Kと無圧縮はちょっと迷ったのですが、改めて聴き比べてみると分かりやすかったです。
QUESTION2
128Kは分かるとして、320Kと無圧縮はやはり悩みました。ただ、後から聞くとやはり情報量が320Kと無圧縮では違うのが分かりました。
QUESTION3
これは難しくて、冒頭部分は3種の違いがわかりませんでした。終盤のボーカルとバックの音楽が入れ替わるところでかろうじて違いが分かりましたが、前2曲に比べると差が少なく感じました。
QUESTION4
ピアノ協奏曲ですが初聞の時にはもうちょっと違いがわかった気がしましたが、改めて聴き比べてみるとわからない。特に出だしのタララダンの部分では全くわからない。その後全体を聞いてもちょっと自信がなくなってきたので、△かもしれません。
QUESTION5
これが間違えた曲で320Kと無圧縮を間違えましたが、128Kでもよくわからない。なんとなく、128Kは声に表情がなく平板な気はしますが、内容を知っているから言えることで、単純にこれだけ聞いて圧縮率はどれくらいでしょうと聞かれても分からないと思います。
余談ですが、これ昔なにかのTV CMに使われてましたよね。なんのCMだったかは全く覚えてないですけど。
QUESTION6
これは4、5に比べれば分かりやすいです。全体の1/4くらいのインベータゲームのUFOのような音の部分で違いがわかるのと、全体的に無圧縮のものが情報量が多く感じました。
3種聞いて聴き分けるのはできるが、逆は難しそう
3種聴き比べて音質の優劣を決めることはなんとかできましたが、逆にどれか1種を聴いて無圧縮かどうかを問われると難しいかもしれません。特に、320Kなら多くの場合無圧縮との違いは気にならないと思います(個人の意見です)。
圧縮音源と無圧縮音源は同じ曲でも値段は数倍違いますし、ファイルサイズは桁が違ってきます。今回の聴き比べも最初MacBook Proの内蔵スピーカーでは違いがよく分からなかったです。つまり、視聴環境によっても全然変わってきます。また、自分はなんとか聴き分けができた程度でしたが、人によっては後ろの方の曲も明確に違うよ、と違いがわかる方もいるかと思います。ヘッドフォンもあるので、そちらならもしかするともう少し差がわかりやすいかもしれません。
ストリームの場合は通信量に影響が出るので、これらの音質と自分の持っている機器や耳と、コストやファイルサイズ(HDD容量)とかと相談して、どのくらいまで必要かということになるかと思います。
自分も一時期いわゆる「ハイレゾ楽曲」を購入していた時期もありました。今は一部のお気に入りアーティスト以外は普通の楽曲を買ってますし、ましてや無圧縮なんて値段以上にファイルサイズが問題になるので買ったことはありません。
高級オーディオ機器でお高いヘッドフォンで聞くならともかく、スマホやDAPでワイヤレスで聴くとかだったら違いなんて分からないでしょうから。かえって違いが分かってしまう人は大変かもしれません。
違いがないものに、無駄にお金をかけたり、大きな通信量やファイル容量のものを使うのは自己満足に過ぎないので。