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DTM(音楽)初心者がMIXできるようになるために必要なこと

前置き
たまにはためになるコラムみたいなものでも書いてみようかと思い立ったので、自分がDAWつかって最初の壁だったMIXについて書いてみようとおもう。最近そういうこと聞かれる機会も増えてきて、これから挑戦する人などの役に立てば良いな。
といっても、『MIXって聞いたけど何したらいいの?』くらいのレベル感を想定しているので、あらかじめ断っておきますがある程度MIXできる方には全くためにならないものだと思います。
あと具体的にどうしたらいいの?みたいなのはSleepFreaksさんの記事とかが大体網羅されているのでおすすめです。


本編


はじめに

一応あらためて自分について。。
DTMで初めて曲つくってから1年半くらい。MIXもまだまだ試行錯誤中。

ボカコレ2023夏ルーキーから、無色透名祭Ⅱ、ボカコレ2024冬ルーキー、とくりたしげたかさんのマイリストに入れていただけているのである程度人に聴いてもらえるようなクオリティになってきたのかなと思います。(MIXが甘い作品はいれませんと公言されていました・・)

今回はDTMを覚えていくにあたってどういうときにMIXが上達したかというのをいくつかのポイントに分けてお伝えしたいなとおもいます。

一応冒頭にも書きましたがタイトル通りMIXに取り掛かれるようになるためのことになりますので、手順とかハウツーみたいなのは載せません
ジャンルによって全然異なったりしますしね・・
(というか素人が素人に向けて「これはこうすればOK」って言っても説得力なくないですか笑)

心構え的なこと

MIXってなに・・・?


ほんと最初はこれ!!!
別にDAWでトラック並んでる状態でも聴ける気がするんですよね。まあそんなことないんですけど。
書き出ししてプロの曲と比べてびっくりするのはきっと誰もが通る道なだと信じたい・・・
何が違うかっていうとプロのアーティストなどは大体曲作ってレコーディングしたらサウンドエンジニアみたいな方とかがMIXしていたりするんですよね。ここまではすぐたどり着くんですが、じゃあ一体何してるの・・・っていうのが第1躓きポイントです。
自分はYouTubeでミックス公開とか解説とかの動画みるのが一番わかりやすかったですね。自分の作りたいのと近しいジャンルの動画だとなおいいです。どういうプラグインで、なんのために、どういう処理してるのか解説してくれていたりするのでわかりやすくとにかくオススメです。大抵処理のビフォーアフターを聴かせてくれるので効果がわかりやすいんですよね。ただ持ってるプラグインと違うと「それ何した!?」はめちゃくちゃ発生するのでそこは気合です。用語はひたすらググりましょう・・・
ちなみにその後にもう一個マスタリングっていう謎工程があります。

MIXで何をしたいか


まずはEQさすとか、次にコンプかけるとかよりコレ。
漠然としてるように思えるけど、めちゃくちゃ大事。
MIXって曲を作って、できた各トラックを整える作業ではあるんだけど、どう整えるかで曲のイメージが変わったりするから、味付けみたいな感覚もある・・・甘味のなかにほんのり苦味があるティラミスみたいなオトナな味が好きとか、フレッシュなフルーツの香りを活かしたタルトが好きとか。音にも個性があって、それをしっかり解像度あげてあげよう。
最初は「爆音で聴かせたい!」とかそのくらいで大丈夫。もっと爆音にするには・・・を考え始めると必要なものとかも順番にわかってくるとおもうので。
というか今回伝えたいことの99%これ!
自分が何したいかだけはどんなに調べても出ては来ないのです・・・

空間演出


個人的なポイントでしかないんですけど、音の鳴り方って空間の情報を持ってるんですよね。想像してみてほしいんですけど、ひろい体育館で声だしたとき、山でやっほーってやまびこしてるとき、同じ自分の声でも全然音の響きが違うと思うんですよね。MIX早見表みたいなキックの上にベースがあってみたいな図だとやっぱり足りなくて、トラックの中でどのくらいの場所なのか3次元空間でとらえてあげるとイメージしやすいんじゃないかなとおもってます(ほんとに自分だけかもですが)
わかりやすい単語に落とすと『左右』以外にも『前後』『距離感』『大きさ』『方向』とかがある感じです。
自分は「地平線の向こうから鳴ってる感じ」とか「おでこの前で鳴ってる感じ」とかわりと大げさにとらえてます。
でもこういうイメージが大事です。そしたら自然とリバーブとかPANとかEQとか、もろもろ定まってくる気がします。
あとはそのために実際の音を聴いたり、思い浮かべるんですよね。ライブハウスでビタビタに鳴ってるアンプや、山で遠くからきこえる雷鳴だったり、コンサートホールでのアンサンブルとか、特に生楽器系はそっちのほうが100倍インプットになる気がします。

音源として整えること


上で「何したいかが大事!」って言っておいてなんですが、それだけじゃダメなんですよね。客観性も大事というか。ただこういう技術的な側面って調べれば出てくるんですよ。相当マニアックな処理までいかないと大抵はわかりやすい動画や記事がポンポンヒットします。最初のほうにも書きましたがこういうのはプロとかの解説が一番確実です。手法的なことはじゃんじゃん先人の知恵を使いましょう。NO車輪の再発明。
解説動画のいいところって知らない用語とかがでてきたら調べられることなんですよね。そもそもその用語わからないと検索でたどり着けないので。。
「あのブイブイするやつどうやるの」って人に聞ければいいですけど

実際にMIXしていくためのポイント

リファレンスを用意する


多分一番上達するのはこれです。完成イメージと近いリファレンスを探して、その曲のミックスに近づける。自分の耳以外にも用意した曲をイコライザ―に流したりして分析するのもいいと思います。私は何回も書き出して聴き比べてブラッシュアップしてました。

試聴環境を整える


大層な機材とかまずは要らないと思うんですけど、モニタースピーカーは買ってよかったなとおもいます。音出しが難しい場合も多いと思うので、音楽編集用途に耐えうるスピーカーorヘッドフォンは用意しておいて損はないです。
それから普段音楽を聴いてるイヤホンだったり、スマートフォンのスピーカーだったりいろんな環境で試聴してみるといいです。せっかく人に聴いてもらうのですから、バランスが悪くて特定の機器でだけ変になったりしないようにしたいですからね。

押せるボタンはすべて押せ


色々調べたりすると、「EQでこんなことできるのか~」みたいなことがわかってきます。ミックスに使うプラグインはとにかく試しましょう・・・!プラグインによって同じ処理でも効き方が違ったりするので、ツマミは片っ端から回してみるのが早いです。これホント。というか試せることはとりあえず試すのがおすすめです。
以前みたミキシングの解説で、エンジニアの方がとりあえず位相は反転してみた方が良い(といったようなこと)をおっしゃっていて、なるほどなと思ったんですよね。それでカッコよくなるならリターンでかくないですか??
押せるボタンはすべて押す!

安易にプラグインを買わない


基本的なプラグインってまずDAWに標準で入ってるはずなので、必要になったら買えばいいです。自戒をこめて。
いつ必要になるか?いい質問ですね
答えは耳が肥えた時です。いつか来ます。
でもどうせ買うのでこれはマスト!みたいなのセールで買っておいてもいいです笑
ただ、付属であるような簡素なやつも基本的な要素がわかりやすかったりするので慣れるのにはいいと思いましたね。
ちなみにいま私はSSLのチャンネルストリップが欲しいです(

メーターを見る


最終的には耳で聴くのはもちろんそうなんですけど、各種プラグインのメーターも非常に大事です。波形の出るEQならどこの周波数が多いとか一目でわかりますし、実際何db出てるのかとかも大事なのでとりあえず確認するクセがあって困らないですね。特にVUメーターは慣れてくると重宝します(というか外せません

MIXだけでなんとかしようとしない


その”気になってるポイント”ほんとにMIXのせいですかっていうのは気を付けていきたいと思っているところです。
素材がダメだと料理もダメになる的なことは起こりえます。
エレクトリックな感じ目指してるのにピアノの音源がめちゃくちゃアコースティックの生音だったりしたら結構違和感ありますよね・・音量バランス取りづらいのはレコーディングしたボリュームが小さすぎたせいだったりとか。冷静に俯瞰してみるとMIXじゃなかったみたいなのはわりと経験あります。。そもそも全体でみるとパートで音域偏っていたとか。
そういうときは躊躇なくMIXから戻りましょう。

裏技


OZONEを刺す笑
izotope社のOZONEはマスタリングツールなんですが、最終的なEQ調整なんかもAIでかけてくれるんですよね。最初のうちはその自動補正のほうが明らかに音がよくなるとおもいます。それじゃ上達しないんじゃと思うかもしれませんが、AIが判断してこれが「正解」だよと教えてくれるので、わかりやすいと思います。
注意点としてはマキシマイザも自動でかかるとおもうので(音圧があがる)音が大きくなって、良くなったように感じるのとは分けて考えたいですね。
とはいえマスタートラックでの補正は限界あるし、これも次第に刺すだけじゃダメなことに気が付くという。

おわりに

・・・刺すだけで音がよくなる万能プラグインなど存在しないんですよね
ジャンルや使いどころありきなので、これは一種の誇張表現ですよね。
刺すだけで音がよくなるは誇張だし
レターパックで現金送れは詐欺

これからはじめる人、はじめたての人は是非気を付けてもらいたいんですが
例えば
倍音が付加されて音がよくなる!みたいなプラグインを、音がよくなるからと全部のトラックにかけたら、全員主張が激しすぎて逆に目立たないみたいなことになっちゃいますよね・・・(極端なたとえですが)
自分も、とあるエンジニアさんの解説をみていて「理由を説明できないプラグインは刺さない」と言うのを聞いて、ハッとさせられたことがあります。
心構えのところでも書きましたが、それが自分がどうしたいかってところだと思います。
とはいえ形から真似るのも大事かなとおもうので、〇〇さんがやってたからって感じで同じ処理かけてみるのも経験だとおもいます。結局いろんな失敗とか試行錯誤を繰り返していくことになるので沢山やったもの勝ちな感じはしますね。

気が付いたら4000字超えてたんですが、自分なりにミキシングについて調べてた時にひっかかっていたポイントをつらつら書いてみました。
プラグインはこの順番でかける!みたいなのもわかりやすくはあるんですが、ちょっと音楽経験値の乏しい初心者にはハードルが高いんですよね。
この記事が何かしらの役に立てば幸いです。


もし興味をもってもらえたらニコニコ動画やYouTubeなどでオリジナル曲投稿してますのでぜひ!(そしてできれば古い音源は聴かないでください笑)


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