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トム・アンデルセンの望み

===================以下抜粋
※僕らの望み
「僕らが強く望んできたのは、僕ら自身の経験やストーリーとはつねに距離を保つことだ。僕らのものを相手にしてしまうなら、僕らが中心しすぎるし、あまりにも重要視されすぎてしまうだろう。僕らの望みは、できる限り「周縁」にどどまって、できる限り素早くすり抜けること。つまり、さっと入ってさっと出る。話したりリフレクトしたりするのは、彼らが話すことについてだけだ。もうひとつの大きな、そして、自然な変化は、僕らがより多く聞き、より少なく話すようになったことだ。」
===================抜粋はここまで

トム・アンデルセン会話哲学の奇跡p146/矢原隆行著・訳/金剛出版2022刊

対話は「話す人」と「聞く人」を分けることとも言われています。普段の会話で話し手聞き手が分かれずに介入による介入がはじまり、話しきり、聞き切れてないのが常態になっているようなら、真に理解し合う事は難しいかもしれません。

ご自身が聞き手役の時は、
1,聞き手自身(自分)の経験やストーリーとはつねに距離を保つ。それらを持ち出し比べて聞かない。
2,聞き手(自分)のもの(意見想定)を相手にすると、内的対話が中心化し、自分の意見想定を重要視してしまうので自分の意見想定は却下し聞く。
3,聞き手はできる限り「周縁」に留まって、話すときは素早くすり抜け、話し手に返す。
4,リフレクトする内容や言葉は、話し手が話すことについてだけ。自分の言葉や話題にすり替えない。
5,話し手より多く(長く)話さない。少なく短く話して、話すことを相手に戻し「語り直し」を聞く。

そして、トム・アンデルセンのいう「リフレクト」は単なる「反射(おうむ返し)」ではなく、ラテン語の「折り重ねること」を意味するそうです。合い照らしつつ折り重ね繋いで、紡いでゆく感じでしょうか。その際に、自分の話を持ち出して自分を主人公化せずに、相手の言葉を使って感じたことだけを言葉にして「すり抜け」話し手に語り直す機会を戻す。

話し手(相手)が、聞き手(自分)がこのように振る舞う中、相手の中で起こる変容に目を向け、語り直しに再び耳を傾ける。

逆に、国民や生徒さん、従業員さんや、利用者さん、患者さん、ご家族、奥さんとの会話の際に、この反対をしてしまうとどうなるか。

など、普段の会話でも色々と試行錯誤して、どうすれば「対話」ができるかを共に考えられたらと思います。

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