〜誰に持たせて、誰が寄せるか〜【フィオレンティーナ vs サッスオーロ】
こんにちは、ヲる琴です。久しぶりの更新となります。ちなみに第5回目になります。
↓前回書いたもの
スタメン
ホームのフィオレンティーナは3-5-2。3-5-1-1のようにも見えた。しっかりフィオレンティーナを見るのは今季初めてなので殆どの選手の特徴などはわからない。懐かしのミララス。
対するサッスオーロは3-4-1-2。最近このシステムが流行ってる気がするのはおそらくアーセナルとアタランタの影響だろう。サッスオーロは久々に見るので楽しみ。前線の組み合わせはアタランタと似ていて、左利きのベラルディとイリチッチ、フィジカルが強いババカルとドゥバン・サパタ、小柄で巧いセンシとパプ・ゴメス、てな感じでそっくり。それでは試合へ。
サッスオーロ保持時
システムはそのまま3-4-1-2。フィオレンティーナもそのまま3-1-4-2(5-3-2)で守備をするので中盤が噛み合う状態。守備のフィオレンティーナがとった動きはIHの縦スライドであった。まずは2トップで片側のHVとCBをマークしフリーになった逆サイドのHVへとボールを誘導。そしてボールサイドのIHが敵ボランチのコースを切りながら寄せるというもの。キエーザが左寄りにプレーしていたこともあってフィオレンティーナから見て右サイドに誘導することが多かった。
結果から言ってしまえばこの守備はあまり上手くいってなかった。左HVのフェラーリまで誘導することはできていたが、そこにボールが入ってからダボが寄せるまでは距離が遠くあまりプレッシャーが掛かってなかった。なので時間的余裕を得たフェラーリは質の高い縦パスやオーバーラップを駆使してボールを前進させていた。それに加え、ババカルとベラルディのキープ力もフィオレンティーナを苦しめる一因となった。特にベラルディは敵を背負った状態でキープしたとこからピッチ中央に向かって運び逆サイドまで展開できてしまうのでフィオレンティーナとしては厄介な存在だった。こういったことがあり、モンテッラ監督としてはなにか手を打ちたかったのだろう。後にシステムを変更することとなる。
フィオレンティーナ保持時
こちらもお互いシステムは変わらずなので中盤は噛み合っている状況。しかし、わざとフリーにしてボールを持たせる選手とそれに対する寄せ方が違った。
フィオレンティーナはHVに持たせていたがサッスオーロはCB(ミレンコビッチ)にボールを持たせた。①2トップは左右のHVより少し内側に位置取り、HVにパスが出るとすぐさまプレスを掛けボールをCBのミレンコビッチに戻させる。②それに合わせてセンシがアンカーのコースを消しながらミレンコビッチまでプレス。キーパーまでボールが下がると位置によってはそのままセンシがジャンプ(2度追い)して苦し紛れのロングボールを蹴らせるところまでいけていた。このサッスオーロの守備を受けてフィオレンティーナがビルドアップに変化を加える。起点はミレンコビッチ。
ボールを持たせてくれるならそこに起点にすればいいじゃないってな具合にボールを横に運ぶミレンコビッチ。ターゲットは敵ボランチ間に位置取るキエーザだ(ここは流れの中でムリエルがパスを受けようとすることもあった)。この時IHのダボとヴェレトゥは少しサイドに寄ってマーカーを惹きつけることで敵ボランチ間を広げることでキエーザへのパスコースを確保している。それに加え、2v3(2トップ対3バック)で数的劣位なところをキエーザとムリエルが縦関係になることで局所的に2v1の数的優位を作ることができている。5レーン理論ってなんなんだろうと思ってしまう事案が発生することとなった。ここまで言っておきながら、このビルドアップの形が上手くいったのは1度だけでそれ以降はセンシがインターセプトしたり縦パスの精度が低かったりと再現性はあまりなかった。面白い形だったのでメモがてら書き残すこととする。
フィオレンティーナ システム変更
そういうわけでフィオレンティーナは攻守で後手を踏んでいたのでモンテッラはシステムを変更する。
3-5-2から4-3-3へ変更。右にキエーザ、左にミララス、右SBにローリニが出る形。サッスオーロのビルドアップ隊と噛み合わせをはっきりさせるのが狙いだろう(逆に自分達のビルドアップ隊も噛み合うことになるけど)。実際に守備の基準点がはっきりとしたことで高い位置でボールを奪うシーンも何度か見られた。
試合経過
しかし、先制したのはサッスオーロであった。アンカーのフェルナンデスがつり出され、ぽっかりと空いたバイタルエリアでベラルディがパスを受け、シュートを決めた。DFに当たってコースが変わるというフィオレンティーナにとっては少しアンラッキーな形ではあったがそこまでの過程でエラーを起こしてしまっていたのが痛かった。流れはややフィオレンティーナに傾いていた中でのゴールであった。
失意のフィオレンティーナにすぐさま同点のチャンスがやってくる。強引に前を向こうとしたキエーザをフェラーリが引っ張ってしまいPKを獲得。しかしヴェレトゥがまさかの失敗。この試合最大のチャンスを逃すことに。
そんなこんなで前半終了。続いて後半へ。
後半開始と同時にフィオレンティーナはミララスに代えてジェルソンを投入。ジェルソンは右サイドに入りキエーザが左へ。試合は左サイドに移ったキエーザが序盤からどんどん仕掛ける展開。サッスオーロはコーナーキックの流れからデミラルがゴールを決めるもオフサイドの判定。追加点ならず。フィオレンティーナはキエーザを中心にサッスオーロゴールを脅かすものの得点は決まらずそのまま試合終了。1-0でアウェイのサッスオーロが勝ち点3を積み上げることとなった。
感想
キエーザとデミラルの1対1は迫力満点で観てて面白かった。この試合のフィオレンティーナの攻撃はほとんどがキエーザを経由して生まれていたのでキエーザが不在だとどうなるのか?は気になった。キエーザはいわゆるドリブラーなのだがクネクネこねるタイプではなく、むしろ強引にズバッと行くタイプで特にカウンター時に脅威が増す。ソンフンミンっぽいかもしれない。ステップアップが楽しみな選手。
キエーザvsデミラル以外でこの試合面白かったのがサッスオーロの中盤3枚のパス交換。まず、ボランチの2人(マニャネッリ、ブラビア)が地味に上手い。お互いパスコースに顔を出すタイミングが良く1タッチ2タッチでボールが動く。しっかり前を向くこともできるので無駄なバックパスも少ない。そこに、トップ下のセンシが絡むことでフィオレンティーナのアンカー脇が晒され続けることになった。
センシは良い。凄く良い。グーナーの自分としては、「NEXTカソルラは誰?」と訊かれれば迷わず「センシ」と答えるくらい良い。まずテクニックがある。しっかりボールを止めれるし左足も不自由なく扱える。そして、フリーランが多い。パス&ムーブが大好きなグーナー達のお眼鏡にも適うはずだ。最後に、球際でファイト出来る。「ハードワーク出来るテクニシャン」グーナーが嫌いな筈がない(勝手にグーナーの好みを断定しちゃってすいません)。それらに加えて中盤ならどこでもこなすユーティリティ性もポイントが高いしカソルラっぽい。是非とも来季に向けて獲得して欲しい選手の1人である。
おわりに
最後は完全にセンシの宣伝になってしまいましたがグーナーの皆様には是非とも見て欲しい選手です。レビューを書くのが久々でめちゃくちゃグダッたことで試合から1週間経ってしまいました。(DAZNの見逃し配信も終了してしまった)試合の次の日とかにレビュー完成できる人マジ尊敬します。これから精進します!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!
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