J.K.ローリングは何を言ったのか
2020年、世界中が新型コロナウィルスで大騒ぎしているなかで、以下のような記事が出されました。
内容をざっくり要約すると、生理には生理用品や安全な水へのアクセスなど様々なインフラが必要になるが、新型コロナウィルスの影響で特に経済的に弱い国の人々の生理に関する環境が悪化しているので投資をしてほしい、とする内容です。
この記事には以下のような主張が出てきます。(機械翻訳)
この部分で「ノンバイナリー」とは、生物学的には女性であり生理があるが、ジェンダー・アイデンティティが女性でも男性でもない人、くらいの意味合いです。この記事では「ノンバイナリー」と「女性」「少女」をならべて書き、それらの人々が「月経を経験して」いるとしています。
つまり、この記事で著者は「生理がある人」だからといって「女性」とは限らない、という捉え方をしているわけです。
トランス男性に馴染みのない人ならば少々奇妙に感じる主張ですが、生物学的には女性であっても、見た目上はどう見ても男性であり男性として生きている人がいるということを知っている人なら、これはなんの不思議もない文章です。
元の記事ではそれが理由で生理がある人のことを「女性」とは言い換えず、そのまま「生理のある人々」と言っているわけです。
ところが、この記事に対して、ハリーポッターの原作者であるJ.K.ローリングが以下のようなツイートをしました。
かなり攻撃的なツイートであり、はっきりとはいってませんが「生理のある人」のことを「女性(ウーマン)」と呼べという内容です。
元の記事ではノンバイナリーのことを「女性」と呼ばないようにするために「生理のある人」と言っているわけですから、これを「女性」と言い換えることはすなわち、「ノンバイナリーは性自認がどうかにかかわらず女性である」と、J.K.ローリングは主張していることになります。
本人的には「うまいこと言ってやった」とでも思ってるのかもしれませんが、これがだだすべりして大問題となり、イギリスではJ.K.ローリングがヴォルデモート(ハリーポッターに登場するヴィラン)になったとまで言われるようになりました。
最初はおそらく、トランスを攻撃する趣旨で言ったのではなかったのだろうと思いますが、自分が誤読したことを認められないからか、次第にJ.K.ローリングはガチでジェンダー・アイデンティティを全否定するようになっていきます。
日本でも記事が出るほどなのですが
この記事を書いたライターがそのあたりを理解していないのか、J.K.ローリングが批判した元の記事に何が書かれていたのかが、この記事には全く書かれていません。
J.K.ローリングを擁護するほうも、全くこのことを理解しないまま擁護していて以下のようなツイートが拡散されるような事態になっています。
J.K.ローリングが批判した元の記事には「女性を"月経のある人"と呼びましょう」などとは一切書かれていません。先程も書いたように、元の記事は生理の環境改善のため投資を呼びかける内容であり、「生理のある人」のことを一切言い換えずにそのまま「生理のある人」と書いただけであり、「女性」のことを「生理のある人」と言っているのは「トランス運動」ではなくてJ.K.ローリング本人です。擁護している側がそのことを全く正反対に捉えて「トランス運動」を批判しているという、奇妙極まりない展開となっているわけです。
原作者が露骨なトランスヘイトを言いだしたので、映画版ハリーポッターの主演であるダニエル・ラドクリフ(ハリー役)やエマ・ワトソン(ハーマイオニー役)が原作者を批判する事態にまでなりましたが
トランスヘイターたちはこれをうけ、「ダニエル・ラドクリフのパートナーはトランス女性だ」などというデマを流して彼らを誹謗中傷しました。
トランスヘイターたちは「女性を守るためだ」などと言い訳をしているわけですが、生理で困っているノンバイナリーのジェンダー・アイデンティティを否定することが女性を守ることですか?
女性であるエマ・ワトソンやダニエル・ラドクリフのパートナーまで誹謗中傷しておいてどの口で「女性を守るため」などといっているのでしょうか。
ミソジニストはトランスヘイターの方であるというのは明らかです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?