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女子ボクシングと疑惑のIBA会長

女子ボクシングに出場した選手に絡んだ投稿でJKローリングが最低を更新し続ける今日このごろです。

もはや性分化疾患を持つ女性のことは女性とみなさないとJKローリングは実質的に主張しているようですが、一方でネットでは「JKローリングは本当に女性なのか」といったような揶揄が見られます。性分化疾患なんてのはきっちり検査しないとわからないものであり、自分自身が無自覚なXY染色体保持者であるなんてことは絶対ないとは言い切れないものでしょう。

この件について、ワシントン・ポストが興味深い記事を出していました。

https://www.washingtonpost.com/sports/olympics/2024/08/02/imane-khelif-lin-yu-ting-paris-olympics/

https://www.washingtonpost.com/sports/olympics/2024/08/02/olympic-boxing-culture-war-imane-khelif-lin-yu-ting/

非常にざっくりまとめると

  • 当該の選手が受けたのはテストステロン検査ではなく、IBAが詳細を伏せたよくわからない検査

  • IBAの会長(ロシア人)はIBAの賄賂、八百長、選挙操作の疑惑でIOCから批判されていた

  • 当該の選手がIBAに失格にされたのはロシア人のボクシング選手を試合で破った直後

  • IBAに失格にされるまで当該の選手のテストステロンが異常だとされたことは一度もない

  • 当該の選手は特別KO勝ちが多いといったような事実はない。普通に敗北もある。

ここ数日のメディアにより、当該の選手のテストステロンが異常だとかXY染色体を持ってるだとかいろいろ報道があったわけですが、それらはIBAが一方的に主張しているだけに過ぎず、それらについて科学的な根拠があるのかどうかはIBA以外に確かめようがない。そもそもIBAの判断が虚偽なのではないか、という論調である。

私自身、前の記事で「性分化疾患」の可能性が高いとしたのだが、性分化疾患であるというのもあくまで憶測である。今はっきりと分かっているのはこれが「トランスジェンダーの問題」ではないということくらいだろう。

もし、ワシントン・ポストが主張する通りIBAの判断そのものが虚偽であった場合、「性分化疾患ではないか」という憶測じたいも当事者にとっては誹謗中傷の類になってしまうだろう。

まして「どうみても女性に見えない」「男が女性を殺そうとしている」などというのは誹謗中傷どころではすまないだろう。場合によっては刑事罰にも値するのではないかと思います。

ここで少し想像力を働かせてほしいのですが、外部には詳細不明の「性別検査」を実施し、結果の数値を伏せたうえである日突然に「性別検査の結果、あなたは女性ではありません」と言われた場合、どうやって自分が女性であることを証明すればよいでしょうか。

別途検査を受けて結果を見せたとして、一度「女性ではない」という検査が出た事実をもってネットであれこれ書かれたら、それを覆すことなど個人には不可能ではないでしょうか。冒頭で「JKローリングは本当に女性なのか」といった問を紹介していますが、これはまさにそういう話なのです。

最後にもう一つ大事なものを紹介しておきます。

このウマル・クレムリョフという人物は、上記の記事で大問題になっているIBA会長です。この人物は動画付きで「2024年のオリンピックは、世界中であからさまな同性愛行為と伝統的価値観の破壊であり、トーマス・バッハがその責任を負っています」などと投稿しているように、ホモフォビアを隠そうともしていない人物です。

ボクシング選手にだってLGBTの選手はいるでしょうし、国際的なスポーツ組織の会長がここまでホモフォビアを表にしているなど通常ありえないことです。普通はこんな問題しか無い人物が会長になることなど無いでしょう。よほど強大な権力を持って組織を末端まで牛耳って、やりたい放題やっているとしか考えられません。実際ロシアのバックアップを下にして会長選挙事態を無いものとしているようです。

これだけはっきりとホモフォビアを丸出しにしている人物であれば、なにかの陰謀でシス女性を男性に仕立て上げることくらいやっていても、全く不思議ではないのではないかと私には感じられました。


追記(2024/08/04)

BBCによると、当該の選手はすでにテストステロン検査を受けているようです。

性分化疾患(DSD)によってテストステロンの血中濃度が高いケースに、ケリフ選手が該当するのではないかとの意見もある。DSDは、女子800メートルで2012年ロンドン五輪、2016年リオデジャネイロ五輪を制したキャスター・セメンヤ(南アフリカ)の事例を通じて、広く知られるようになった。
これについてアラブ氏は3日の試合前にBBCのローアン記者に対して、「(ケリフ選手が)選手村に到着した時点で、検査を受けている」と話した。
「もし陽性だったら、組織委が彼女の出場を認めたと思いますか? 絶対にありえない。彼女はあらゆる検査を受けた。妊娠検査さえ受けた。すべて陰性だった」とアラブ氏は言い、「(IBAは)彼女のテストステロン濃度が非常に高い、だから陽性だと判定した。しかしIOCの医療責任者は、ボクシング選手のテストステロン濃度が高いのは実際、普通のことだと判断した。どの女子選手もそうで、イマネだけのことではない」と説明した。

https://www.bbc.com/japanese/articles/clwyyqnglnwo


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