迷走する松浦大悟
マリフォーさんが各政党の代表者を集めて「マリフォー国会」なるイベントを開いていました。
映像アーカイブはYoutubeで観ることができます。
「あなたの党は法律上同性となるカップルも 結婚できるよう法整備をしますか」という質問に対して、自民党、国民民主党が「◯」と「△」2つを同時に上げ、立憲民主党、日本共産党、公明党、日本維新の会、れいわ新選組、社民党はいずれも「◯」を掲げて同性婚を推進することを表明しました。
自民党はもう知っての通りカルト的な右翼が支持基盤なので実質的な「✕」なのは明らかでしょう。
国民民主党の玉木の発言(動画57:49)を文字起こしすると
国民民主党では同性婚に憲法改正が必要ではないかという議論が出ているせいでこの場でははっきりと同性婚に丸をつけることはできない、というなんとも歯切れが悪い感じではありますが、それは玉木代表の誠実さでもある感じがしました。
で、問題は日本維新の会です。
維新の会、高木かおり議員の発言(動画1:15:27)ですが
まあまるで日本維新の会が手放しで同性婚に賛成しているかのような言い方であり、これが本当であるならば喜ばしい限りなわけですが
維新の会には同性婚の法整備を妨害している問題児がいまして
そう、われらの松浦大悟さんです。
松浦大悟は「同性婚が憲法違反だ」という立場ではないのですが、「同性婚は憲法違反にはならない可能性が高いがしかしそれはそれとして改憲で同性婚を導入すべきだ」などという、アクロバティックを極めた主張をしている人物なわけです。
党内で同性婚には改憲が必要だと主張する声があると、素直に認めた玉木代表と違って、維新は同性婚の法整備の推進にはっきりと丸をつけたのですから、「改憲なしの同性婚は反対」なんていう主張をしていたら維新がマリフォー国会で丸を掲げたことは「嘘つきである」と言ってよいでしょう。松浦大悟さんは今後どのような主張をするつもりなんでしょうか。今後も同様の主張を続けるなら政治家として「マリフォー国会で維新の会が丸をつけたのは誤りだった」とはっきりと書くべきでしょう。
で、松浦大悟は「マリフォー国会で維新の会が丸をつけたのは誤りである」と書いているのかと確認しにいったらこれです。
流れを追ってない人ならこのツイートが何を言っているのかさっぱりわからないと思うので解説しますと、フェミニスト(の一部)の間で「政治家や企業役員、映画作品の配役などで極端に男性が多くなっているのは問題である」という話がでていて、極端すぎる男女比に規制を設けることで是正をすべきである、という運動があります。これを「クオータ制」とか、俗に「パリテ(Parity、等しいという意味)」とか呼んだりするのですが、これがイギリスやフランスなどではかなりの成功をしていて1970年に5%未満だった女性議員の比率が2018年にはイギリスで32.2%、フランスで38.8%まで上昇しています。
しかしながらこのクオータ制は著しい男女比の是正に成功した一方で人間のジェンダー(生物学的な性ではなく社会的な性である点に注意)が男女2つしかないという原理原則に基づいたものであり、著しい男女比の是正がだいたいできてきた国では男女二元論という有害性が指摘されるようになって、一部で廃止の動きとなっています。
松浦大悟はこのクオート制とジェンダー二元論の問題が「リベラルの迷走」であると主張するわけですが、「ジェンダーを平等にすべき」という課題と「ジェンダー二元論にこだわるべきではない」とう課題は、「リベラル」だけが考えるべき問題でないことは明らかでしょう。その2つの課題は右翼にも、松浦大悟自身にも突きつけられているわけです。
松浦大悟が「リベラルの迷走」だとかいうものだから、このツイートを読んだ多くの松浦大悟の支持者たちは「松浦大悟はクオート制の導入に反対している」と思っているわけですが、一方で、トランス排除派も含んだ多くの女性たちはクオート製の導入には賛成をしているのではないでしょうか。
はたして松浦大悟は、その女性たちに対して「クオート制の導入には反対である」というのを理由付きではっきりと述べることができるのでしょうか。
わたしには迷走しているのは松浦大悟自身であるように思えますね。
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