なぜ女性スペースの心配が差別だと言われるのか
これまで何度もトランスヘイトが酷いという話を書いてきましたが、大事なことなので改めて書いておきます。
私はトランス差別に反対していると同時に女性差別にも反対の立場です。
一部のトランスヘイターたちは「女性の安全を訴えると差別主義者だと言われる」という趣旨の主張を繰り返しています。
確かに女性スペースの安全を訴えることがトランス差別だと言われてしまうというのは彼らにとってイライラポイントかも知れません。ここで改めて、女性の安全を訴えることが差別となってしまわないための重要なポイントをいくつか上げておきたいと思います。
ヘイトデマに乗らないこと
何度も記事にしていますが、ツイッター上にはトランスジェンダーにたいする悪意に満ちたデマが非常に沢山流れています。「鹿自認」「猫自認」なんていう人もいるだとか
「トランス女性とデートしなければ差別だ」とトランス活動家が主張しているだとか
「女性を生理のある人と言い換えている」だとか
その手の悪意のあるデマに踊らさないように気をつける必要があります。
完璧な人間などいないので、ときには間違えることもあると思います。油断してデマに乗っかってしまうこともあると思いますが、重要なことはデマだと指摘されたときに謝罪や訂正ができるかどうかではないでしょうか。
トランスヘイターたちがトランスヘイトデマを謝罪できないのは、トランスヘイトがやめられなくなっているからです。彼らは不注意でデマを拾ってきたのではなく、「トランスを攻撃してやろう」という意志を持ってそのネタを拾ってきたという自覚があるので、もはや謝罪など絶対にできないのです。
ここまで堕ちてしまうともはや誰にも救えなくなるでしょう。
「性自認」を攻撃しないこと
そもそも「性自認」とは英語の"Gender Identity"の訳語であり、同じく"Gender Identity"の訳語である「性同一性」と全く同じ意味です。
女性スペースを守る会等のヘイト団体は、性自認が性同一性とは違う意味になっているなどと主張していますが、少なくとも自治体や法律家、医者等が使っている「性自認」は「性同一性」と厳密に全く同じ意味です。それ以外の意味など存在していません。
トランスジェンダーではない男性にも女性にも性自認は存在していますし、トランスジェンダー男性にも性自認は存在しています。性自認を批判する行為は、トランス女性だけではなくトランス男性まで巻き込んで攻撃することを意味しています。
もし「性自認」というワードを「性同一性」以外の意味合いで使っている人がいるなら、その人を批判することは正当な行為ですが、性自認を性同一性と同じ意味で使っている自治体や政治家、法律家等を「トランスジェンダリズムだ」などという意味の分からない主張で批判する行為は「性同一性」の攻撃に等しい行為であり、紛れもないトランスヘイトでしょう。
マイノリティを犯罪と結び付けないこと
女性の安全を訴える上で最もやりがちなのがこれです。
言うまでもありませんが、女性トイレに入ってくる性犯罪者やペドフィリアなどを批判する行為は正当な行為です。
しかし、何らかのマイノリティ属性とそれらの犯罪者を結びつける主張は差別の典型例です。これは特定の民族・人種を犯罪と結びつけて主張する人がいることを考えればわかりやすいでしょう。
トランスヘイターの皆様は「トランスジェンダーかつペドフィリア」の人(それも海外の事例など)を一生懸命探して「トランスジェンダーのペドフィリアがこんなにいる」などという宣伝をやっていますが、どれだけ一生懸命そのような事例を集めてきたとしてもほとんどのトランスジェンダーはペドフィリアではありません。どれだけトランスジェンダーを排除しようと、ペドフィリアのほとんどはシスジェンダーなので、トランスジェンダーの排除が女性の安全性に寄与することは殆どなく、ただただ無関係なトランスジェンダーがなんの理由もなく排除されるという結果だけが残るのは明らかです。
そもそも女性の安全をうったえるうえで重要なのは「ペドフィリアを批判すること」であって「マイノリティをペドフィリアであると批判すること」は女性の安全を訴える行為ではないのです。
繰り返しますが、私はトランス差別に反対していると同時に、女性差別にも反対しています。トランス差別への反対と女性差別への反対はなんら矛盾することはありません。
上記のことに気をつけていれば、女性の安全を訴えていたとしてもそれが差別だと言われることは無いでしょう。
一部トランスヘイターはQAnonとの融合が進んでいて極右支持に回っているようですが、極右の皆様は中絶反対でありコテコテの家父長制支持であり、極右が勢力を伸ばしても女性が得することなど何もありません。トランス、さらにはLGBT全体へのヘイトをこじらせても得するのはセクハラオヤジたちだけです。