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神の御告げを聴くためにポルノグラフィティのライブへ行く
※数多の神や宗教を冒涜するつもりはありません。あくまでも個人的見解と感想です。それから、えーと、あの、……まぁ、いいか。
ポルノグラフィティのライブに行ってきた。
今回は札幌での2日間。3泊4日の旅だ。キャリーケースに荷物を詰め始めるが、なぜだか気が重い。遅々として進まず何日もかかっている。あんなに楽しみにしていたはずなのに、ヘンだ。なぜだ。
ポルノグラフィティを聴き始めたのは、だいぶ昔。
孤独だった。自分で選んだ道なのに、暗闇でたったひとり、もがいていた。自分にとって、しあわせとは何なのか、わからなくなっていた。仕事も。子育ても。生き方も。
そんな時、出逢ったのがポルノの曲。毎日バラードばかり聴いて、しくしく泣いていた。なぜ会ったこともないのに、わたしの気持ちをわかってくれるのだろう。唯一寄り添ってくれる、心のよりどころだった。
完全に病んでいました。
今思えば勝手に救われたと思っていただけで、ポルノのお二人はわたしのことなんか、知ったこっちゃないわけで。
小学生の時、毎晩寝る前に神様にお祈りをした。忘れたけど「○○くんと仲よくなれますように」とかいう他愛のないヤツだ。悪いことをしないと誓って1年間続けたけど叶わなかったので、それ以来わたしには神様はいないことになった。のだけれども。
3年前、よくわからないまま娘について行った最初のライブ。1番前の席でわしづかみにされた。降臨?
確信したのは2年前。東京ドームの20周年ライブ「神vs神」。ライブTシャツを着た5万人が一斉に同じ動きをする。クラップ。手の振り。タオル回し。全員がポルノ教の信者なのかと思った。
「神vs神」の「神」は「2日とも違う、神のセットリスト(曲目)」の意味だそうだが、違うと思う。そういえば、昔のグッズの中に壺もあったっけな。
※あ、あの、最初に言おうとしてやめたけど、ここにやっぱり書いときます。ポルノグラフィティのお二人、ファンのみなさん。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
そして今回。
ライブ・ツアーがまだ途中なので、内容を書くことは一切禁じられている。
ホテルに戻って、娘がスマホの曲をライブのセットリスト順に並べはじめた。順番に聴いていって再認識した。ライブはただ聴きに行くところじゃない。「気」や「エネルギー」みたいなものを受け取るところだ。波動を感じた。心に響いた。初めてのライブから、それはちゃんと伝わってきた。
…
帰りの汽車の窓から海が見えてきた。新しいCDの曲の中に、こんなフレーズがある。
彼方の空 雲を割って光がさした
間違いじゃない
そう言ってくれているのか
挫けそうだよ 笑えないよ
忘れられたいよ
そんな日々はもう海に返して
作詞/新藤晴一
大好きな曲。初めて聴いたとき「わたしがときどき海を見たくなるのは、そのためだったんだ!」と逆に教えられて涙したのを思い出した。「何でもお見通しなんだもんなぁ」なんて思いながら、ぼーっと海を眺めていた。
あいかわらず天気はどんよりしている。なんとなく気分がすぐれないのは、冬のうつが始まったのかもしれない。暗闇から脱け出すことはできたけれど、今でも時々足がすくんで動けないことがある。今のこんな自分のまま、ポルノの二人と対峙してはいけない気さえしていた。
やっぱりライブに行ってよかった。背中をそっと押してくれるのがポルノの音楽だ。聞くたびに頑張ろうってなる。「これからも聴いていこう。ポルノの曲を聴きながら毎日を積み重ねていこう」そう思った、その時だ。
海が金色にキラキラ輝きはじめた。雲の切れ間から光がさす。啓示だと思った。「それでいいんだよ」と言ってくれているの?慌てて写真を撮る。何度撮り直してもピンボケだと思ったら、頬を涙が伝っていた。
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イヤホンでポルノの曲を聴いてる娘に気づかれないように、そっと何度も拭っていたけど、ずーっと海なんだもの。驚いた顔でこっちを向いたので、無言で窓の外を指さした。娘はすべてを察したようで、ひとこと「泣かないで」とだけ言ってそっとしといてくれた。こんな時、同じポルノの世界観を共有してくれるのはありがたい。
わたしにとってポルノグラフィティは神のような存在だ。崇め奉るという意味ではない。二人が書いた詞やメロディ、昭仁さんの声と晴一さんのギターの融合、ポルノの世界観。これらがいつも心のどこかにあって、わたしが必要とするときに救ってくれるからだ。
「胸はっていけ!」
「自信もっていけ!」
わたしは神の御告げを聴くために、二人から生きるエネルギーを受け取るために、いつかまたポルノグラフィティのライブに行く。