マイノリティー

前回お話した夜の世界を卒業した後は
とにかく普通の会社で働こうと決めて
何社か面接を受けました

履歴書の名前のところに
苗字 改名した名前 (改名前の名前)
↑こんな感じで書いて面接受けたので
担当の方も「どういう事?」となり
「私は、性同一性障害という病気みたいなもので
身体は男性なのですが、心は女性で
今後治療して身体も戸籍も女性にしていこうと思ってます。
名前はこの名前で、女性として働かせていただきたいです。」

こう伝えて何社も面接に行ってた
何回も言うけど当時は今みたいに
LGBTQの認知がまだあまり無い時
性同一性障害なんて聞いたこともない人もいただろう
「意味がわからない。」
「うちでは受け入れらない。」
こう断れる事も全然あったし
むしろ断れる方が多かった

何社受けたかわからないけど
何社か目の工場のお仕事で
受け入れてもらうことができた。
普通の会社で女性として働ける。
これがすごくうれしかった
ただトイレはあまり使われていない2階の女子トイレを使う事
理解できない人もいる可能性もあるため
男性ということは伏せて働くことを条件とされた

そして仕事を見つけたのと同時に
当時の日本には
性同一性障害(GID)の治療のガイドラインというものがあった
本来このガイドラインに沿ってやらないといけなくて
ホルモン治療も睾丸摘出手術も
ガイドラインから外れたものだったし
戸籍の性別を変えるためには
このガイドラインに沿って治療しなくてはならなかった

まずはカウンセリングからなのだが
今はジェンダークリニックとか
都会の方にはあるイメージだけど
私が治療を始めた頃は
地元にはなく1番近くて県外の大学病院
電話で予約を取ろうと思っても半年先になる
仕方なく私は関東の方にある
大学病院の精神科に予約を取った

これから病院に通うため
月に1回くらいはお休みをいただきたいと伝えたところ
それもオッケーしてくれた
本当にありがたかった

今思うと
性同一性障害とか
オカマとかニューハーフに対して
確かに理解できない人もいる
嫌悪感を抱いてしまう人もいる
ただ15年以上前でも
中には理解しようとしてくれる人もいて
私はその人たちのおかげで
今こうやって女性として生活していられるところもある

無事に仕事と
治療する病院を見つけて
少しずつではあるけど
女性になれる道筋が見えてきた気がしてた

次回は通っていた大学病院での治療内容を
覚えてる範囲でお伝えできればと思います。

つづく

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