Ed Sheeran/エド・シーラン『X(マルティプライ)』10周年🎉アルバムのオススメ曲5選!
文:鈴木美穂
『X(マルティプライ)』を制作していた2011年から2014年を、エド・シーランは「クレイジーな時期だった」とインスタグラムのコメントで振り返っている。2011年にメジャー・デビュー・アルバム『+(プラス)』を発表後、エドの人生は激変した。
そんな時期の私的な想いを様々なタイプのサウンドで曲にした『X(マルティプライ)』は、イギリス出身のシンガーソングライターであるエドを世界トップクラスのスーパースターにした。以下に紹介する5曲は、同作の中で特に多くのファンに愛され続けている名曲だ。
1. Thinking Out Loud
全米英ともにシングルチャートで1位、イギリスでデビュー曲「Aチーム〜飛べない天使たち〜」に続いて100万枚のセールスを達成、アメリカでは約500万枚を売り上げ、グラミー賞の「年間最優秀楽曲賞」と「最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞」を受賞、Spotify史上初の5億回ストリーミング達成など、多数の記録を樹立した大ヒット曲。
シンガーソングライターのエイミー・ワッジと共作したエドらしい真摯なラブソングで、『マセマティック・ツアー』でもこの曲はハイライトになっており、今なおエドの代表曲の一つだ。
2. Sing
『X(マルティプライ)』のリードシングルで、エドが初めて全英シングルチャートで1位を獲得し、全米シングルチャートでは13位を記録した曲。ザ・ネプチューンズ、N.E.R.Dとしても知られるファレル・ウィリアムスがプロデュースを手がけ、ファンキーでグルーヴィーなサウンドでエドの新たな魅力を打ち出して大成功した。ダンサブルで、ライヴでもかなり盛り上がる。今やルイ・ヴィトンのメンズクリエイティブ・ディレクターになったファレルも登場するMVが楽しい。
3. I’m A Mess
『X(マルティプライ)』から出たシングルは5曲で、この曲はその中には入っていないのだが、ライヴには欠かせない定番曲だ。後半で繰り返されるパートが合唱になって、場内の熱気が上昇する。5月14日、エドはインスタグラムにこの曲をアコースティック・ギターで演奏するビデオを投稿し、こんなエピソードをシェアした。
4. Don’t
『X(マルティプライ)』のセカンド・シングルで、赤裸々でシリアスな歌詞のダンス・ポップ曲。ポップ・スターの曲を数多く手掛けてきたヒットメーカーのベニー・ブランコ(セレーナ・ゴメス、ジャスティン・ビーバー、ザ・ウィークエンド、ケイティ・ペリー等)と作曲した後、大御所のリック・ルービン(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、リンキン・パーク、ザ・チックス、アデル等)がプロデュースに加わって仕上げられたヒット確実の曲で、全米チャート9位を達成した。
5. Photograph
『X(マルティプライ)10周年記念エディション』の発表を祝して、エドは5月22日に、ブルックリンで『X(マルティプライ)』
10周年記念公演を行った。後日、彼はインスタグラムにニュー・ホープ・クワイアという聖歌隊を迎えてこの曲を演奏したビデオを投稿し、こう記した。
『X(マルティプライ)』の5曲目のシングルで、全米チャート2位を達成。ミニマムなサウンドに、エドの包容力のある美しいヴォーカルが映えるバラード曲で、エドの幼少期から、10代、現在までのホームムービーと写真で構成されたMVは、とても心が温まる。
まとめ
以上5曲。ここには入れられなかったけれど、現在もライヴで披露されている「Bloodstream」やエドの透き通るハイトーンヴォーカルと歌詞が美しい「One」、彼のラップ・ヴォーカルが冴えまくる「The Man」、幻想的なサウンドの「Nina」なども捨てがたい。素晴らしい曲ばかりの名盤『X(マルティプライ)』は、10年の時を経てエドとリスナーそれぞれの思い出をまとったことで、また一段と重要な作品になったと思う。