諜報業界用語: 「(コンピュータ業界の)ゼロデイ」
今回は「(コンピュータ業界の)ゼロデイ」について見ていきましょう。
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「ゼロデイ」: コンピュータのソフトウェアやシステムに存在するセキュリティの穴(脆弱性)のうち、まだその存在が公にされておらず、パッチが提供されていないものを指します。
なぜ「ゼロデイ」と呼ばれるのか?
発見からパッチ公開までの日数が「ゼロ」に近い: 脆弱性が発見されたばかりで、まだ対策ソフトやパッチが開発されていないため、「ゼロ日」と呼ばれます。
攻撃者にとって「ゼロデイ」: 攻撃者は、この脆弱性についてまだ誰も知らないため、この情報を利用して最初に攻撃を仕掛けることができます。
ゼロデイが危険な理由
未対策: システム管理者は、この脆弱性の存在を知らないため、対策を講じることができません。
攻撃のしやすさ: 攻撃者は、まだパッチが公開されていない脆弱性を悪用して、システムに侵入しやすく、成功率も高い傾向にあります。
被害の拡大: ゼロデイ攻撃は、標的型攻撃や大規模なサイバー攻撃に利用されることが多く、個人情報漏洩、システムダウン、さらにはインフラへの影響など、甚大な被害をもたらす可能性があります。
ゼロデイ攻撃の例
WannaCryランサムウェア: 2017年に世界中で大規模な被害をもたらしたランサムウェア攻撃は、WindowsのSMBプロトコルのゼロデイ脆弱性を悪用しました。
NotPetyaランサムウェア: WannaCryに似たランサムウェア攻撃で、ウクライナを中心に広がり、多くの企業の業務を停止させました。
ゼロデイ対策
OSやソフトウェアのアップデート: ベンダーから提供されるセキュリティパッチをできるだけ早く適用することで、既知の脆弱性を解消できます。
セキュリティソフトの導入: リアルタイムでマルウェアを検知し、侵入を防ぐことができます。
従業員へのセキュリティ意識啓発: フィッシング詐欺や不審なメールへの注意喚起を行うことで、人的ミスによる被害を防ぐことができます。
多層防御: ファイアウォール、侵入検知システムなど、複数のセキュリティ対策を組み合わせることで、防御の堅牢性を高めます。
まとめ
ゼロデイは、コンピュータセキュリティにおける最大の脅威の一つです。常に最新のセキュリティ対策を講じ、攻撃に備えることが重要です。
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