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法律:   「特定秘密保護法」

今回は「特定秘密保護法」について見ていきましょう。

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「特定秘密保護法」: 日本の安全保障に関わる特に重要な情報を「特定秘密」として指定し、その取り扱いについて厳しく規定した法律です。2013年に成立し、大きな議論を呼び起こしました。

なぜこの法律が必要?

  • 国家安全保障: 国家の安全保障に関わる情報が漏えいすると、テロやスパイ活動などに悪用される可能性があります。この法律は、そのような事態を防ぐことを目的としています。

  • 国際的な情報交換: 他国との情報交換を行う上で、日本の機密情報を保護する仕組みが必要となります。

特定秘密?

特定秘密とは、以下の条件をすべて満たす情報のことです。

  • 別表に該当する事項に関する情報: 防衛、外交、テロ対策など、国家の安全保障に関わる事項に関する情報

  • 公になっていない情報: 一般に知られていない情報

  • 漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある情報: 漏えいした場合に、国家の安全保障に大きな損害を与える可能性がある情報

この法律の主な内容

  • 特定秘密の指定: 行政機関の長が、特定秘密として指定することができます。

  • 取扱者の適性評価: 特定秘密を取り扱う者は、厳格な身元調査が行われ、適性評価を受けなければなりません。

  • 漏えい行為の処罰: 特定秘密を漏えいさせた者は、厳しく処罰されます。

  • 国民の知る権利とのバランス: この法律は、国民の知る権利を過度に侵害しないように、その適用範囲や手続きが定められています。

この法律に対する賛否両論

  • 賛成意見:

    • 国家の安全保障を確保するためには、この法律が必要である。

    • 国際社会との情報交換を円滑に進めるために、この法律は必要である。

  • 反対意見:

    • この法律は、国民の知る権利を過度に制限する。

    • 政府による情報公開が制限され、透明性が失われる。

    • 悪用される可能性があり、権力者の恣意的な利用が懸念される。

特定秘密保護法の現実的な話...

背景として

  • 国際テロの脅威の高まり: 世界各地でテロ事件が発生し、日本もその脅威にさらされる可能性が高まっています。

  • サイバー攻撃の増加: サイバー空間における情報戦が激化し、国家機密の漏洩リスクが高まっています。

  • 国際社会における情報競争の激化: 各国が情報収集能力を高めており、日本の情報が不正に取得されるリスクも高まっています。

特定秘密の指定と取り扱い

  • 指定の基準: 特定秘密は、防衛、外交、テロ対策など、国家の安全保障に直接関わる情報で、漏えいした場合に国の安全に著しい支障が生じる恐れがあるものが指定されます。

  • 指定手続き: 特定秘密の指定は、内閣総理大臣の承認を得て行われます。

  • 取り扱い: 特定秘密を取り扱う者は、厳格な身分調査を受け、秘密保持誓約書に署名する必要があります。また、特定秘密を取り扱う場所や方法も厳しく制限されます。

特定秘密保護法の課題と議論

  • 国民の知る権利とのバランス: この法律は、国民の知る権利を制限する可能性があるという批判があります。

  • 濫用される可能性: 政府による恣意的な情報公開の制限や、反対意見を抑圧するための手段として利用される可能性が指摘されています。

  • 透明性の欠如: 特定秘密の指定基準や手続きが不透明であり、国民の監視が困難であるという問題も指摘されています。

特定秘密保護法をめぐる今後の課題

  • 国民への情報公開: 特定秘密の範囲や指定基準をより明確にし、国民への情報公開を推進する必要があります。

  • 外部からの監視: 政府による特定秘密の取り扱いを監視する仕組みを強化する必要があります。

  • 国際的な基準との整合性: 国際的な情報保護の基準と整合性を図る必要があります。

まとめ

特定秘密保護法は、日本の安全保障を確保するために重要な法律ですが、同時に国民の知る権利とのバランスをどのように取るかが大きな課題となっています。今後も、この法律をめぐる議論は続いていくと考えられます。

いつもながら、機能しているかどうかは別問題です。

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