武器兵器調達課#109:  「AGM-88」

今回は「AGM-88」について見ていきましょう。

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「AGM-88 (ハーム(HARM))」: アメリカ海軍が開発した対レーダーミサイルです。その名の通り、敵のレーダー波を感知し、自動的に追尾して攻撃することを目的としています。

AGM-88 ハームの誕生と進化

AGM-88 ハームは、ベトナム戦争中の教訓から開発されました。北ベトナム軍のSAM(地対空ミサイル)に苦戦したアメリカ軍は、レーダーをピンポイントで攻撃できるミサイルの必要性を感じ、ハームの開発に着手しました。

当初のハームは、単純にレーダー波を感知して飛んでいくだけのミサイルでしたが、その後、GPS誘導機能の追加や、より高度な電子戦対策などが施され、性能が飛躍的に向上しました。

AGM-88 ハームの特徴と役割

  • 対レーダーミサイル: 敵のレーダーから発せられる電波を感知し、その源であるレーダーサイトを自動的に攻撃します。

  • 電子戦: 敵の防空網を無力化し、味方の航空機やミサイルの攻撃を容易にする役割を果たします。

  • 高精度攻撃: レーダー波を頼りに目標を特定するため、高精度な攻撃が可能です。

  • 様々なプラットフォームからの発射: 戦闘機だけでなく、艦船などからも発射することができます。

AGM-88 ハームの仕組み

  1. レーダー波の探知: ハームは、自身が発するパルス信号によって周囲のレーダーを探知します。

  2. 目標の捕捉: 探知したレーダー波を頼りに、目標となるレーダーサイトの位置を特定します。

  3. 自動誘導: 目標の方向へ自動的に誘導され、最終的には目標に衝突して爆破します。

AGM-88 ハームの変種

AGM-88には、様々な改良型が存在します。

  • AGM-88A/B: 初期型。

  • AGM-88C: 射程延長型。

  • AGM-88D: GPS誘導機能を追加し、より高い命中精度を実現。

  • AGM-88E AARGM: AGM-88Dをベースに、さらに性能を向上させた最新型。

AGM-88 ハームの運用

AGM-88は、アメリカ海軍だけでなく、アメリカ空軍や、アメリカと同盟関係にある国の空軍でも採用されています。主に、敵の防空網を突破し、地上目標を攻撃する際に使用されます。

AGM-88 ハームの具体的な運用

  • SEAD(Suppression of Enemy Air Defenses): 敵の防空網を無力化するSEAD作戦において、ハームは非常に重要な役割を果たします。敵のレーダーサイトを事前に破壊することで、味方の航空機の生存率を向上させます。

  • DEAD(Destruction of Enemy Air Defenses): SEADのさらに一歩進んで、敵の防空システムを完全に破壊することを目的としたDEAD作戦でも使用されます。

  • その他の用途: ハームは、レーダーサイトだけでなく、通信施設や指揮所など、電波を発する施設を攻撃するのにも利用できます。

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AGM-88 ハームのメリットとデメリット

  • メリット:

    • 高い生存性: レーダー波を頼りに攻撃するため、敵の視覚的な探知を回避できます。

    • 高い命中精度: 自動誘導により、目標を正確に攻撃できます。

    • 多様なプラットフォームからの発射: 柔軟な運用が可能です。

  • デメリット:

    • 高コスト: 比較的高価なミサイルです。

    • レーダーのオフ状態には無力: レーダーがオフになっている場合は、目標を捕捉できません。

    • 電子戦対策: 敵の電子戦によって、誘導が妨害される可能性があります。

まとめ

AGM-88 ハームは、現代の空戦において重要な役割を担う対レーダーミサイルです。敵の防空網を無力化し、味方の攻撃を支援する能力は、現代戦において不可欠なものとなっています。

AGM-88 ハームの正確な価格は、機密情報であるため、公には発表されていません。 残念!

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